パナレーサー製シーラント、シールスマートEXのレビュー記事。
この記事ではパナレーサー シールスマートEXの、作業性の良さ、シール性能と耐久性、パンク穴を塞ぐ性能、温度による性状変化と機能低下、アルミリムとの相性等について記載した。
製品説明
旧モデルで高評価を得ていたシール性能はそのままに、配合するクルミ殻パウダーの最適化を図りバルブ口から注入可能になりました。充填時にバルブ詰まりしにくく、長期使用時でも乾きにくいのが特徴。
シーラントのカラーはパナレーサーパープルにアップデート。皮膚が弱い方でも安心してご使用いただけます。
パナレーサーのTLR(チューブレスレディ)タイヤに使用する事で高い空気保持性能を発揮します。パナレーサーより引用
自転車1台分/前後タイヤ分 ・ロード 約60~90mL ・シクロクロス/グラベル 約90~120mL ・MTB(26″/27.5″) 約90~120mL ・MTB (29″) 約120~150mL 使用量目安
最大6mmのパンク穴を塞ぐことができる天然ゴム系シーラント。
| 成分 | 効果持続期間 | 使用温度範囲 |
|---|---|---|
| 天然ゴム クルミ殻粒 | 2-4か月 | 5-40℃ |
効果は4か月以内、使用温度が5℃以上の辺りが気になるところである。
パッケージは3種類
- 1000ml
- 500ml
- 120ml
今回は一番小さい120mlを選択した。
※120mLのみバルブから充填ができるシリコンチューブ(長さ60mm)付属
シーラントの性状
割と粘度が低めでシャバシャバした感じ。
指で触るとすぐに膜状に変化する。
ツブツブしたものがクルミ殻粒だと思われる。


シーラントの臭いは【ゴム】だが視覚的な影響もあるのか、少しブドウっぽいような臭いにも感じる。個人的には嫌いではないので作業がしやすい。
シーラント注入作業
今回120mlを選択した理由の【バルブから注入できるシリコンチューブ】。
コアを外したバルブへ繋いで注入する。

バルブとボトルにちょうどフィットするし、ボトルを強くつぶせばシーラントがバルブへスムーズに入る。
という具合で、特に何の困難もなく作業完了できた。
ただボトル側面にある目盛は、シーラントが付着して残量が確認しにくい。
120mlボトルとチューブは再利用できるので、空になれば保管しておく。
シーリング性能と耐久性チェック
(旧)グラベルキングTLR 650×42BにシールスマートEXを60ml注入。
シーラント注入からしばらく期間を開けて、空気保持力を確認してみた。
| 注入してからの期間 | 0時間空気圧 | 24時間後空気圧 | 72時間後空気圧 |
|---|---|---|---|
| 12日 | 2.8bar | 2.7bar | 2.6bar |
| 40日 | 2.8bar | 2.7bar | 2.6bar |
| 100日 | 2.8bar | 2.7bar | 2.6bar |
乾燥チェック
タイヤ内で液状をどれほど保てるか確認をする。
60日経過の状態。まだ普通に液状で残っている。

110日経過。残量が心細い。

効果は2-4か月ということなので、メーカーの指定通り限界なのだと思われる。
シーラントを使うとタイヤ裏面がペタペタする
シーラント使用したタイヤ裏面の状態に変化があったのでチェックする。


さらさらのタイヤ裏面はペタペタとした触感に変わっている。パンク後チューブを入れるのが難しくなるように思う。
また表面には除去困難なシーラントの塊が付着している。配合されているクルミ殻粒は柔らかいままラテックスに包まれている。
パンク後チューブドへ戻したとしても、クルミ殻粒がパンクを引き起こす心配は無さそうに思う。
パンク穴の耐空気圧チェック
後輪がパンクをしたので、その後どれぐらいの空気圧まで耐えられるのかチェックをしてみた(ちなみにパンク直後、穴は塞がれた)。
何度か空気圧を上げて試すが、高圧まで入れる手前でパンク穴からシーラントが噴き出してしまう。
空気圧は約2.5bar。

シーラントの耐空気圧はタイヤ本体のそれよりも低いはずなので、パンク後の空気圧は低圧運用することになりそう。
パンク穴の形状によっても変わりそうではある。
温度変化実験
シールスマートEXの使用温度範囲は5-40℃。
温度範囲を超えるとどうなるのか確かめてみる。
結果を先に載せる。
| 温度と時間 | シーラントの変化 | 常温へ戻す |
|---|---|---|
| 70℃(湯煎30分) | 固形へ変化 | 固形のまま |
| 55℃(湯煎30分) | 液状のまま | 液状のまま |
| 5℃(冷蔵庫で数日間) | 液状のまま | 液状のまま |
| -3℃(山で冷凍1時間) | 固形へ変化 | 液状へ戻る |
| -25℃(冷凍庫1時間) | 固形へ変化 | 固形のまま |
70℃では固形化し、55℃では性質は特に変わらず、-3℃ではいったん固形化するが常温で元に戻る。-25℃では完全固形化してしまい液状には戻せない。
夏場のアスファルトで熱されてもある程度までは大丈夫で、冬季の零下の環境では固形化するがある程度の温度までは液状に戻る。
逆に言えば一定温度以上(約70℃以上)を越える環境で数時間いると固形化するし、一定温度(-3度?)以下であれば固形化して元に戻らなくなる。
冷蔵&冷凍
まずは冷やす方。
密閉容器に入れたシーラントを冷凍庫へ保管、その後解凍という実験をしてみる。
ちなみに我が家の冷蔵庫は、冷凍庫が約-25℃である。

冷凍庫(-25℃)へ1時間入れると、シーラントは固形化された。

その後、常温で解凍するが固形ゴム化したまま戻らない。

次に-3℃の屋外で1時間冷凍してみる。

1時間後、シーラントは固形化した。

が、1時間常温へ戻した後は液状へ戻っている。

温める
次に、湯煎で温めてみる。
まずは52-58℃の間で30分間温めてみた。
液状のシーラントを容器に入れて

袋に入れて湯煎で52-58℃、30分間温める。

シーラントをトレイに出して、通常保管していたものと比較してみる。

指で触って固形化の時間等を比較してみるが、特に違いは見られなかった。
次に湯煎で70℃、30分温めてみた。

結果、温度が高い底の部分が固形化していた。写真ではわかりやすいよう固形化したものを集めた。液状の部分は指で触ったところ変化はない。
低温運用するとパンク穴を塞ぐ性能は低下する
2025-2026年の冬季、0℃前後の低温環境も含みの80日経過時点で、空気入れ中にパンク穴からシーラントが漏れることがあった。
シーラントの元々の色は白紫色だが、この時は透明であった。
パンク穴を塞ぐことができるか1週間程様子をみていたが、この透明な液体が少しずつ漏れ続け、完全に穴を塞ぐことはできなかった。

低温で固形化し、固化機能のない液体だけがタイヤ内に残留することになったのかもしれない。
メーカーの使用温度範囲を超える低温運用には向いていないと思われる。
アルミリムとの相性

DT SWISS XR331(アルミリム)との相性。
使用後アルミリムに異常は見当たらない。
ちなみに直接関係はないがチューブレステープへの付着はほとんどなかった。

まとめ
パナレーサー シールスマートEXの、作業性の良さ、シール性能、パンク穴を塞ぐ性能、温度による性状変化と機能低下、アルミリムとの相性等について記載した。
多くのシーラントと同様に数か月間の使用寿命というのは、チューブと比較すると短いと思う。
またメーカーの記載通りだが、使用温度範囲(5-40℃)を越えるような環境では使わない方が良さそうである。
ただ弱点はあるが・安価・作業性良し・シーリング性能高し・パンク穴塞ぎも問題なし・アルミリムとの相性良し、と使いやすいシーラントだと思う。











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