2017年1月に入手したMAVIC KSYRIUM PRO EXALITH SL。フリーボディ(FTS-L)オイル量起因の異音トラブルが頻発したが、現在は問題が発生しない状態にまで落ち着いたので記事にしておく。
フリーボディの分解清掃について
マビックのホイールはフリーボディのメンテナンスを定期的に行う必要がある。
私が所有しているKSYRIUM PRO EXALITH SLは2016年以前のモデルでフリーボディはFTS-L。
2020年現在マビックホイールのフリーボディの多くは、インスタントドライブ360へ切り替わっている。
フリーボディ(FTS-L)の分解清掃については以下のサイトが分かりやすい。
【参考】Kinoの自転車日記さん MAVIC フリー整備 マビック 純正オイル
作業自体はそれほど難しいものでは無いので、何度か試していくうちに慣れてくる。
フリーボディオイルについて
メンテナンスではフリーボディオイル(正しくはFree Wheel Body Oil)の入れ替えを行う。
適切なオイルの量を注油するようにしたいのだが、フリーボディオイル適切なオイルの注油量がはっきりと書かれているサイトなどを見つけた事が無い。
ただ、オイルの量が多すぎると汚れを拾ってしまい、フリーボディとシーリングゴムとの摩擦を余計に高めてしまう事がある、という記事はある。
【参考】ロードバイクが欲しい!初心者向けナビさん 走行中にチェーン落ちした、驚きの理由。
適切なオイル量が今ひとつはっきりしないが、多すぎず、少なすぎずの量を注油しないといけない。
私が経験したトラブル
私はKSYRIUM PRO EXALITH SLを使っていて、トラブルが起こった事がある。それは後ろホイールから異音が発生したことだ。
”ぶおおぉぉぉおおおん”
と、なかなか大きい音が走行中にする。
ペダルを止めているときに鳴る。
特に下り坂で高速走行中、路面の衝撃などで音が鳴り出す事が多い。
使用からしばらくの間はなぜ異音が発生するのかはっきりと掴めなかったが、フリーボディのオイル交換後に発生したこととペダルを回転させると音が止まることから、おそらくフリーボディ周辺の摩擦が原因で音が発生するのだろうということは掴めた。
あとはどんな対策をすればよいのかというところだったが、これを自分でつかむのに時間がかかった。
グリスをシーリングゴムの辺りに付けると非常に抵抗が強くなり、音は止むがペダルが供回りしてしまう。
シリコンオイルを吹き付けると一時的には音鳴りはしなくなるが、しばらくすると異音が発生する。
という状況。
解決策
なかなか対策が掴めなかったが、適切な量の注油ができていないのが原因ではないかと考えて、オイルの量を増減させてみると、この程度のオイルを入れれば異音もしないしトラブルも起こらないというラインが見えてきた。
8ヶ月以上5000km以上異音が発生しないラインを数回確認できたので書いておく。
オイル量を重量で計測してみたが1g以下なので、数値化するのは難しい。
なので写真撮影しておいた。
これぐらいフリーボディ内にオイルを溜めれば異音は起こってはいないし、その他のトラブルにも見舞われていない。
写真撮影の角度は45度程だろう。円柱内部にこれぐらい溜まるぐらいがちょうど良い様子。
フリーボディ内のオイル量だけでなくて、フリーボディとシーリングゴムとの接触面にも十分にオイルを付ける事が大切だと思う。
結果
上のオイル量で、9ヶ月5000km使用した後の状態が下の写真。
異音は発生せずすこぶる快調だったが汚れは多く溜まっている状態なので、そろそろオイル交換をしていたほうが良い。
Mavic技術データ
と記事を終了させようと思ったが、今現在調べなおしてみると、公式サイトから資料を見つけることができた。
ここにフリーボディ(FTS-L)のオイルの量の記述がある。
4.必要であればリップシールを交換し、リップを外側に向けてハブのノーズに取り付けます。マヴィックミネラルオイル M40122をリップに塗ります。5.FTS-L フリーホイールボディキットの内側のコグ部分に注油します(マヴィックミネラルオイル M40122 を、ラチェットの目盛り3 個分まで注ぎます。
【引用】Mavic テクニカルマニュアル 2004 P21 https://tech.mavic.com/tech-mavic/technical_manual/data/docs/products/18_4.pdf
なるほど。オイルはリップに塗って、フリーホイールボディキットの内側にラチェットの目盛り3個分まで注げば良いらしい。
Mavic技術データに基づいてやってみる
『ラチェットの目盛り3個分まで注ぐ』ということは、写真のようにフリーボディ手前側に見えるラチェットの溝3つ分まで注ぐ、ということだろう。
経験上、このオイル量ではまた異音がすぐに発生しそうだ。
なので、せっかくの公式データを見た後だったが、少し増やして下の写真の量にしておいた。これはラチェット4つ分なので多めだ。
このオイル量は上で書いた自分自身で導き出した適切なオイル量と同じぐらいだと思う。
今後この量で走っていき、異常がでれば調整をしていく。
追記
FTS-Lの摩耗が進み、ホイールが寿命を迎えました。
FTS-Lの塗装が剥げている場合は気を付けてください。
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