パタゴニア製ランニング用ウエア メンズ・サーマル・エアシェッド・ジャケットのロードバイク用ウェアとしてのレビュー。
単体のアウターで使えば、厳冬期ヒルクライムに最適。
厳冬期ダウンヒルではミドルレイヤーとして使うのもアリ。
購入動機
真冬の自転車通勤にちょうどいいウェアがないか探していたところ、たまたま現物を見る機会があり、ちょうどよさそうなので購入。
私の厳冬期自転車通勤で、朝-5度のダウンヒルと夜5度以下のヒルクライムの快適性を賄ってくれるウェアが必要。
(体感気温は、朝晩で10-15度くらいの差があるのでは・・・)
厳冬期のヒルクライムではウェアの前ジッパーを開けて走っていても背部や腕など汗が溜まりやすい箇所が多いので通気性が欲しい反面ある程度の保温性も必要だし、ダウンヒルでは高い保温性が欲しい。
朝の気温に合わせてウエア選びをすると夜ヒルクライムは暑く、夜に合わせると朝のダウンヒルが寒い、というウエア選びの難しさがある。
そこで、
- 通気性
- 保温性
- 軽量性
- カッコよさ
を兼ね備えたこの製品が目に留まった。
製品説明
寒い天候下での活動中に保温性と最大限の通気性を提供するジャケット。リサイクル・ポリエステル100%のプルマフィルを使用した革新的な構造のインサレーションをフロントパネルと腕に施して保温性を確保し、背中と腕の下側のインサレーションを省いて超軽量で激しい運動にも対応。本体の素材は通気性に優れたポリエステル100%(リサイクル・ポリエステル87%)で、風雨に対するプロテクションを強化するPFC不使用のDWR(ペルフルオロ化合物を含まない耐久性撥水)加工済み。フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用
パタゴニアより引用
メンズ・サーマル・エアシェッド・ジャケットは、パタゴニア製品のスポーツカテゴリではトレイルランニングの商品に分類されている。
外観
ジャケットの作りを見ると、全面耐風性、通気性のあるポリエステル製の薄手のシェルと、前側に薄手のインサレーションを施されている。
色の薄いブルーの部分にインサレーションが入っている。
風の当たる前側にインサレーションがあるので、冷たい外気に直接身体が触れるのを避けられる。

シェルの素材は耐風性、通気性があり薄く作られている。透けて向こう側が見えるほど。

色の濃いブルーの部分はインサレーションが入っていないシェル一枚の薄い部分。
背部や袖の後ろ側から熱を逃がして涼しくなるよう作られている。

グレーの素材は伸縮性があり、袖と裾の後ろ側に施されている。

ポケットは内ポケットが二つ。
一つはドロップイン型ポケット。

一つはジッパーで、その中にジャケット本体を丸め込めば収納できる。

収納サイズは19×9×8(cm)

重量は実測202g(XSサイズ)
メンズ・サーマル・エアシェッド・ジャケットが自転車ウェアに向いているポイントは、ウェア前面にのみインサレーションを封入していることと、全面薄手の耐風性、通気性のポリエステル製シェルである程度の風を遮りながら通気性を保っていること。
メンズ・サーマル・エアシェッド・ジャケット単体での使用感
【インナー】おたふく手袋 パワーストレッチシャツ
【アウター】パタゴニア サーマルエアシェッドジャケット
【ウインドブレーカー】パールイズミ ウインドブレーカー
の3枚着用で使って見た。
× ダウンヒル
気温-5度~0度
サーマルエアシェッドジャケットのシェルは全面通気性があるのでウィンドブレーカーを着用することで防風性を高めようと考えたが、かなり冷えてしまいこの使い方ではダメ。
所有のパールイズミウィンドブレーカーは防風タイプの素材では無いこともあり、サーマルエアシェッドジャケットのインサレーションの蓄熱性を超える熱量を奪われてしまう。
またサーマルエアシェッドジャケットの背部はインサレーションが無いので、直接外気と触れることになるのでそこからもかなり熱量を奪われてしまう。
× 平地
気温-5度~0度
平地であっても気温が0度近いと寒く感じる。
感覚的に時速25kmを超えるあたりから体が発する熱量よりも奪われる熱量の方が多く、早く走れば走るほど寒い、という感想。
信号待ちなどで停止すると、インサレーションの保温性が効いてきてほんのり暖かい。
◎ ヒルクライム
気温 登り口が5度以下 標高の高い位置では-2,3度
ウインドブレーカーは脱いでヒルクライムをしてみる。
まぁまぁ踏んで上っていくと、ちょうどいい感じ。
- 身体が発する熱量
- 通気性のあるシェル全面から放熱される熱量
- インサレーションの蓄熱性
の3点がちょうどよくバランスが取れ、上っていて熱くもなく寒くもなく汗冷えすることもなくという状態。
下り区間は、通気性があるので冷気が体全体を覆い冷たく感じる。
ヒルクライムの途中の下りであれば少しクールダウンができてちょうど良いとも感じる。
メンズ・サーマル・エアシェッド・ジャケット単体で使って見た結果
ここまでの使用感だと、サーマルエアシェッドジャケット単体をメインウェアとして0度前後のダウンヒル、ヒルクライムの全てをこなしていくのは少々きつい。
サーマルエアシェッドジャケット単体でのヒルクライムは快適。
平地や下りを含め風圧の高まる速度では、通気性のあるナイロンシェルから風が入ってくるし、インサレーションが風でつぶされて蓄熱性を奪われてしまうので結構寒い。
このまま厳冬期メインウェアとして使うのは厳しい感じ。
他のウェアと組み合わせた運用方法を検討
そこで、冬季メインウェアのパタゴニア製ウインドシールドジャケットを一枚上に羽織って2枚着用で使って見た。
ちなみにウインドシールドジャケットの特長は、
- ウェア前面に防風メンブレン
- ウェア後面は通気性の良いジャージ素材
で向かい風にはめっぽう強いが、極薄インサレーションがウェア裏側にあるだけで保温性は低いこと。
反面、ウェア後ろ側からはジャージ素材から排熱、通気性の確保ができるので、真冬ヒルクライムで活躍する。
【インナー】おたふく手袋 パワーストレッチシャツ
【ミドル】パタゴニア サーマルエアシェッドジャケット
【アウター】パタゴニア パタゴニア ウインドシールドジャケット
【ウインドブレーカー】パールイズミ ウインドブレーカー
ウェア4枚を着用して走ってみた。
◎ ダウンヒルと平地ライド
気温-5度~0度
この組み合わせで零下のダウンヒルと0度近辺の平地ライドを試してみると、ちょうどいい感じ。
特にダウンヒルはちょうどよく非常に快適。
平地ライドでは少し熱く感じるので、前ジッパーを開けて走った。
× ヒルクライム
気温は、登り口が5度以下、標高の高い位置では-2,3度。
同じ服装でヒルクライムをしてみると、暑すぎる。
汗でサーマルエアシェッドジャケットが湿ってしまい明らかオーバーヒートしている。
0度前後のヒルクライムではサーマルエアシェッドジャケット単体がやはりちょうど良いみたい。
他ウェアとの組み合わせで検討した結果
他ウェアとの組み合わせだと、サーマルエアシェッドジャケットをミッドレイヤーにするのはアリ。
保温性が高いので、外気温が高いと平地でも汗をかいてしまうので調整が必要。
0度近辺のヒルクライムではオーバーヒートしてしまうのでアウターは脱いでいた方が良い感じ。
まとめ

サーマルエアシェッドジャケットのロードバイクでの使い方をいろいろと検討してみた結果、厳冬期の一番ベストな使い方は下の通りだと思う。
ダウンヒル:サーマルエアシェッドジャケットを保温材にして他ウエアをアウターにする
ヒルクライム:サーマルエアシェッドジャケット単体(アウターは腰巻にする)
これで厳冬期、朝のダウンヒルと夜のヒルクライムを、暑すぎず寒すぎず、汗冷えを起こすこともなく快適にこなすことができる。
本来トレイルランニング用のウェアなので、ロードバイクウェアのようにシルエットがスリムではないが、トレイルランニングに近い負荷のロードバイクヒルクライムでは使い勝手がちょうどいい感じ。
自転車だけでなく、本来の用途であるランニングなどの厳冬期の負荷が高いアクティビティに使えそうなので、汎用性は非常に高い。
あと、ロードバイクウエアぽくなくてカッコいい?他の人と被らないのがポイント高い。
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