この度所有のMSR ウィスパーライトインターナショナルが不調に陥った。
結果的になんとか復調まで至ったのでその経過を洗いざらい記しておく(追記:最終的に故障している状態が確定的となり、スタンダードポンプの交換となった。そこまでの経過を全て書いておく)
。
MSR ウィスパーライトインターナショナルの不調症状
所有のウィスパーライトインターナショナルの調子が悪くなった。
症状は以下の通り
- 燃料漏れ
- 燃焼中、火の勢いが弱まる、止まる、不安定、からの不完全燃焼への移行

購入月は、2019年2月。
この状態は2019年11月なので9ヶ月間の使用した状態。
ちなみに使用燃料は灯油のみ。
パーツ購入
作業をするために、株式会社モチヅキのパーツ販売(http://www.e-mot.co.jp/shopping/)からパーツを購入した。


作業方法
メンテナンス作業の詳しい方法については、
株式会社モチヅキのサイト
MSRストーブメンテナンスに詳しく書かれている。
ウィスパーライトインターナショナル2012〜

スタンダードフューエルポンプ

あえてここで改めて書く必要は全く無いので、実際に作業をされる場合は上記を見てほしい。
はじめに行った作業
スタンダードフューエルポンプの作業
①ポンプカップ交換

②コントロールバルブOリング交換

③フューエルチューブOリング交換

④ポンプシール交換

⑤チェックバルブの確認
株式会社モチヅキのサイトに載っている作業内容の内、行わなかったのはディップチューブ交換だけ。
バーナーの作業
⑥バーナーヘッドとフレームリングの清掃、カットケーブルとフューエル内部の清掃

⑦ジェットとシェイカーニードルの清掃

ここまでの作業を終えて
作業自体はどの作業もそれほど難解なモノはなく、説明通りにすればできるだろう。
ポンプカップ交換においては、ポンププランジャーを外すのに少しだけコツがいるが、説明通りにすれば良いだけである。
また他に気がついた点があり、ポンプカップ、コントロールバルブOリング、フューエルチューブOリングポンプシールについては、適宜注油が必要なのかも知れない。
今回交換した全てのパーツは、見た目それほどヒビも入っていなく、見ただけでは異常がわからない程度の状態だった。
ただ使い心地については全てのパーツに関わる操作で改善が見られ、非常にスムースとなり異音が無くなった。
作業の結果、症状は改善したのか
上記の作業を行った結果、燃料漏れと燃焼の不安定さが改善したのか、というと改善しなかった。
そのため更に検証をしていく。
検証
燃料漏れについて
燃料漏れについては、良く調べてみるとフューエルラインのワイヤー編みが成されている箇所から燃料が漏れていることが分かった。ワイヤー編みをされている部分は柔軟性があり曲げることができるように作られている。フューエルラインの燃料漏れ部位の特定にはティッシュペーパーを使ってみると、漏れている箇所を特定しやすかった。

なぜフューエルラインの燃料漏れを起こしたのか
なぜフューエルラインの燃焼漏れを起こしたのか。
それはフューエルライン内部に通すWLUカットケーブルという煤汚れなどを落とし燃料詰まりを防ぐ為のワイヤーがほつれてしまったからだと考えている。
WLUカットケーブルの両先端にはワイヤーがほつれないようにハンダ付けで固定をされているのだが、ある時ワイヤーのほつれが見つかった。
フューエルライン内部の汚れを落とす作業をしようとカットケーブルを引き出すとやたらと抵抗がかかり、おかしいな?と見るとワイヤーがほつれている。
ほつれたままではフューエルラインにWLUカットケーブルを挿入することが困難なので、ほつれている部分をニッパーでカットした。
その後に燃料漏れが起こっている。
フューエルラインのワイヤー編みがされている箇所は曲げられるように作られており、おそらく内部は燃料漏れが怒らないよう樹脂製のチューブが使われているのではないだろうか?(これは未確認)
上記のニッパーでカットされたカットケーブルが、フューエルライン内部をキズ付けてしまったのだろうと思っている。
ということでフューエルラインASSYも購入することに。
燃焼の不安定さについて
ジェットとシェイカーニードルの汚れ
原因の一つははおそらく、ジェットとシェイカーニードルの堆積した粘着性のある汚れだ。
ジェットの内側とシェイカーニードルの外側に粘着物が付着しており、その影響でジェットとシェイカーニードルが一時的にくっついてしまい、ジェットから出る燃料ガスの通りを妨げているのだと推察した。
シェイカーニードル側の汚れは真鍮ブラシでこすることで落とすことができたが、ジェット内部の汚れはなかなか落とすことができない。

完全に復旧するため、千枚通しなどで根気よく地道にジェット内部の汚れを削り落とした。
その結果、ジェットとシェイカーニードルがくっついてしまう症状は無くなった。
なぜ粘着性の汚れが堆積することになったのか、汚れの原因は何なのか。
というところだが、これについてはサラダ油ではないかと思っている。
実験的に一度サラダ油をプレヒートに使えるかを試してみたのだが、その後からどうも調子が悪いように思う。
ガスが詰まるような感じになってしまった。
ちなみにサラダ油プレヒートは難点があり、常用しているゼリー着火剤(商品名:チャッカネン)との相性が抜群に悪い。
サラダ油を浸した中にチャッカネンを入れライターで着火すると、まるでチャッカネンを天ぷらよろしく揚げ物にしているが如く、ピチピチといい音を立てる。
そして着火しているチャッカネンの細かい火種がバーナーの回りに飛び散ることになる。
危険である。
どうやら飛び散ったサラダ油とチャッカネンの混合物が液体の状態でジェット内へ入り込んだのでは無いかと思う。
自己復旧を諦めて、購入店舗へ相談
作業後の燃焼具合は、一時的に勢い良く燃えるようになったがまた悪化を辿った。
次は、燃焼が非常に不安定となったのだ。
燃焼途中でガスの供給量が一定ではなく、何かリズムでも刻むかのようにブスブスと燃焼が不安定な状態だ。
私はここで心が折れてしまった。
自身で直すことを諦め2ヶ月ほど放置した後、購入店であるオキドキライフスタイルへ持ち込み、原因特定を依頼した。
沖コースケ氏が状態を確認すると一発。
スタンダードポンプ本体のコントロールバルブの不具合が見つかった。
コントロールバルブを緩める方向に回転させると、通常バルブは2回転までしか回すことができないのだが永遠と回し続けることができる状態だった。
スタンダードポンプ本体の故障ということだ。コントロールバルブのメスネジ側が欠けてしまっているのかもしれない。
スタンダードポンプ本体はプラスチック製なので、取扱には十分注意が必要なのだ。
上の方に書いたコントロールバルブOリング交換作業の際に傷めてしまったのか、日々の使い方が荒くバルブを強く回しすぎているのか、またはそれらの両方か。
ということで、スタンダードポンプ本体を購入。
そして、購入したスタンダードポンプで燃焼をしてみると、それまでの不調が嘘のようにとても良い燃焼状態となった。
ここまで来て、大体のエラーは出尽くした感がある。
スタンダードポンプとフューエルラインASSYを購入しすっかり治ったかと思い、使用再開してしばらくすると不完全燃焼に陥ってしまう状態が再燃した。
完全燃焼の青い炎が持続せず、少しだけ燃料の流れが悪いように感じるのだ。
この状態は、以前正常に使っていたときよりも悪い。
この時点で2020年2月7日。
うーん。一体なにが悪いのだ。
更に検証
- 元々2019年に購入したウィスパーライトインターナショナルに付属のスタンダードポンプ(故障)
- 2020年に購入したスタンダードポンプ(店舗在庫なので、2020年製というわけではなさそうだ)
の2つを所有することになった私。
バーナーはウィスパーライトインターナショナルを一つだけ。

状況としては、2020年購入のスタンダードポンプの燃焼状態はまぁまぁ好調なのだが、どうも2019年10月不調に至る前までの燃焼状態と比較すると、1段落ちてしまったような感じだ。
若干不完全燃焼が混ざっている。燃焼噴射がスムーズでは無いのだ。
2019年購入のスタンダードポンプは故障していなかった
次なる課題は、2020年購入のスタンダードポンプの使用感を高めたい、2019年購入のスタンダードポンプと同じレベルまで引き上げたいという点になる。
ということで2020購入スタンダードポンプの燃料の流れをスムーズにするべく何か対策はないかと思い、コントロールバルブに着目。
コントロールバルブを2019スタンダードポンプと2020スタンダードポンプのものを交換してみた。
その作業中、気がついてしまった。
2019スタンダードポンプのコントロールバルブのメスネジ側が潰れてしまっていると思い込んでいたのだが、どうやらそうではなかったようだ。
観察するに、どうやらメスネジにオスネジがしっかりと収まっていない状態だったようだ。
取り付ける際には、しっかり(結構強く)とコントロールバルブをポンプ側へ押し込んでから回すことでコントロールバルブがネジに収まり、正常に機能するようになった。

このコントロールバルブを、ポンプ側へしっかりと奥まで差し込んでからネジを回すようにすると良い。

コントロールバルブの先端と蓋に溝が掘られている。2つの溝を合わせて回して固定をしなければならない。
このように作業してようやく2019年購入のスタンダードポンプが元の状態に回復し、正常な燃焼炎を見せてくれるようになった。

故障してはいなかったのだ。
そうすると2019年購入スタンダードポンプが改善したため、2020年スタンダードポンプの若干の燃焼不具合はそのままにしておいても良いことに。
今後は2019年購入のスタンダードポンプを使い続けていく。
迷走の果てに
3ヶ月超の迷走の果てにようやくウィスパーライトインターナショナルを元の状態に戻すことができた。
現時点での問題点は、2020年購入スタンダードポンプ(新品)の若干不調ということだ。
それも不調だと感じるのは2019年購入のスタンダードポンプの燃焼具合がすこぶる良好なので(笑)、比較すると使いにくい、ということで使えないと言うほどではない。
2020年購入スタンダードポンプのクセに合わせて使い方を調整する必要はあるけれど、なんどか燃焼を繰り返す内にポンピングを多くすることで問題ない範囲になんとか燃料が流れるようになることが分かった。
今回のウィスパーライトインターナショナルの不調の原因とは
今回経験した2019年に購入したウィスパーライトインターナショナルの不調の要因としては
①機材自体の問題
②使用者の問題
が考えられる。
機材自体の問題
フューエルラインの燃料漏れの要因の一つ、WLUカットケーブルのハンダ付けが不十分だったのか、カットケーブルがほつれてしまったこと、だ。
これは通常の使用範囲内で起こっていることだ。製品の瑕疵と言っても良いのかも知れない。
使用者の問題
今回の不調の要因の多くは使用者側(私)が作ったものだと思う。
- カットケーブルがほつれた時に、燃料漏れを起こす予見をせずにニッパーでワイヤーをカットしてしまったこと
- サラダ油プレヒートが原因かもしれないジェット内部の粘着性汚れ付着による燃料流れ不調
- コントロールバルブの取り付け方が悪かった事による燃料流れ不調
これらが考えられる。
終わりに
やはり素人。
ユーザーは使い方は知っているが、構造を理解して使用しているわけではないし、メンテナンスと称した分解作業でミスが発生する可能性が高い。
そしてミスをした事自体に、作業者が気がついていないのだから余計にたちが悪く、修正に時間も労力も要してしまう。
そして素人。
プロでは無いのでミスは自己責任であり、いくら費用や時間や労力を要したところで、自分自身の問題に収まっている。
解決までの過程を経験することで、はじめから答えを教えてもらうこととは違う思考過程を経るし、必要不要な経験を得られる。
公式サイトのメンテナンス作業を見たところで完全に構造が理解できるわけではない、が書かれている細かい記載を正確に再現しなければミスが起こることがある。
あぁ趣味で良かったー。と思う。
そして今回ここまでややこしい経験をしたので、今後は多分同じようなことを起こさないんじゃないかなぁ、という淡い期待をもっておこう。

さらにその後・・・(2020年3月7日追記)
トラブルが一旦収束したように思えた上までの記述だけれど、その後もトラブルが続いた。
- 症状1 コントロールバルブを完全に締めていても、燃料がバーナー側へ流れてしまう。
- 症状2 持続的な燃焼では不完全燃焼へ移行してしまう。
これらの症状が次第にひどくなっていったため、コントロールバルブをチェックしてみるとコントロールバルブを逆回転させると際限なく回ってしまう状態が確認できた。
上記にあるように以前はコントロールバルブを取り付け直せば症状が改善したのだが、取り付け直しができなくなっている。
ポンプ側のメスネジをライトで照らして見てみると、どうやらネジ穴が破損しているようだ。
ということで、一年間使用したスタンダードポンプは破損により使用を諦め、予備のスタンダードポンプへ付け替えた。
コメント
燃料ボトルにシグボトルのようなものを使われていますが、現行のMSRのポンプだと赤いパッキンが不自然に広がってしまって設計上想定されていない負担がかかると思われます。劣化による亀裂や燃料漏れの原因になる危険があるのではないでしょうか。初期のMSRはシグボトルが指定されており、2000年代初頭までのポンプには赤いパッキンがないため、シグボトルでも問題なく使えるのですが、現行は純正ボトルの薄い縁にフィットするように仕様が変わっています。