ダブルレバー(SL-7700)仕様のCAAD12、その乗り心地使い心地について

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ロードバイク Advent Calendar 2019 16日目

2019年今年一番の変化である”このこと”を書いておこう。

はじめに

何か事情あり、通常STIを代表とする変速機付きブレーキレバーが装備されているイマドキのロードバイクにWレバーを装備せざるを得ない自転車乗りは多いことだろう(嘘)

私もその中の一人。

私の場合はCannondaleのCAAD12にST-5800が装着されており、それを3年半ほど使用しつつけていた。

ST-5800を使っていて、不満だった点はシフトワイヤーがブチブチと千切れてしまうことだ。

およそ3000kmに1回、STI内部でワイヤーが切れるという症状に悩まされていた。

おそらくSTI内部のワイヤールーティングがあまりよろしくないのではと思う。

一説によるとST-5800は特に切れやすいという話を耳にした(涙)。

ちなみに前車GIANT DEFY2に装備されていたST-4600ではシフトワイヤーは約9000kmの耐久があったのだが。

内装ワイヤールーティングがなされる今般の変速機付きブレーキレバーを信じることができなくなった私は、シフトワイヤーの耐久性を求めてWレバーに辿り着いた。

CAAD12にダブルレバーを取り付けたのは2019年5月、そこから現時点2019年12月までの雑感を含めて書いていく。

愛車CAAD12

取り付けに関して

CAAD12にはWレバー台座は無い。

そのため王道のクロモリフレームのようにフレームに取り付けることは、CAAD12の場合できない。

  • ハンドルバーに取り付けるか (Dixna レバーハンドルマウントを使用)
  • コラム取り付けるか(Dixna レバーコラムマウントを使用)

だ。

私はハンドルバーに取り付けることにした。

CAAD12に取り付けるのに必要なパーツ

ディズナ レバーハンドルマウント

これは便利な製品だ。

ハンドルバーの任意の箇所にWレバーを取り付けられる。

例えば、ドロップハンドルの先端に取り付けたければできるのだ。

実際に色々と部位を検討し、自分自身が操作しやすい位置を探す作業が必要だ。

私はフラット部に取り付けている。

レバーハンドルマウントにSL-700を装着
レバーハンドルマウントとSL-7700(右側)

Shimano SL-7700

シフトレバーはシマノのSL-7700を選んだ。

シマノでフリクションタイプを所望するとこれ1択になる。

変速機側はシマノのFD-5800、RD-5800をそのまま流用している。2*11スピードだ。

注意したいのがリアディレイラー側インナーワイヤー引き量だ。

RD-5800とSL-7700の組み合わせだとワイヤー引き量は、トップからローまでの調整幅ギリギリだ。

レバーハンドルマウントにSL-700を装着
レバーハンドルマウントとSL-7700(左側)

Shimano BL-R400

ブレーキレバーもシマノのBL-R400を選んだ。

シマノから選ぶとブレーキレバーもこれ1択だ。

他社製であればその他も選択肢はいくつかある。

私がこれを選んだ理由は、ブラケットのゴム素材が柔らかいもので、かつブラケットゴムパーツ販売しているものがが良かったからだ。

傷んでも交換できるものが望ましい。

CAAD12にBL-R400を装着
こうやってみると意外とかっこいいBL-R400

乗車時の重量バランス

ST-5800装備との使用感の大きな点を一つ述べるとすると、主として自転車全体の重量バランスの改善、だ。

重量を見ると、

BL-R400は左右ペアで254g。

ST-5800は左右ペアで494g。

240gも軽量だ。

しかしそれに加えてレバーハンドルマウントの重量77gとSL-7700の重量67gを合わせて144gがハンドルフラット部に乗ることになる。

自転車全体としては96gの軽量化を果たしたことになる。

が、乗車感としてはそれ以上の変化を感じることができているように思う。

要因としてハンドルバー先端のブレーキレバーの軽量化が大きいように思う。

ハンドル全体が軽くなり、重心が自転車の中心に収まるような感覚を得られる。

ここからは私の想像だけれども、前輪荷重が少なくなればなるほどオフロード車、自転車で言えばマウンテンバイクの重量バランスに似てくるのではないか。

路面のギャップが大きいオフロードでは前輪抜重の大切さがよく分かる。

前輪荷重が大きいと前輪がギャップをクリアできず、転倒につながる場面が多いのだ。

それはオンロードでも影響は小さいにせよ同じ傾向を持つのではないだろうか。

オンロードにおいても小さな段差や路面のグリップが得られにくい箇所がいくつもある。

その場面で前輪荷重が少ないほど安全に楽しく自転車に乗ることができる。

そんな気がするのだ。

ちなみに同じ乗車感を他のコンポーネントの組み合わせで味わうならば電動変速機を使えば良いのだろう。

(調べてみた・・・)

SRAMでは

RED ETAP AXS SHIFT BRAKE LEVER

Weight:284g(Pair)

シマノでは

Access Denied

ST-R9150

230 g/pair

と書いてある。

ST-R9150凄いな。軽い。

しかしST-R9150の軽量性を見せつけられても食指が動かない。

それは次の項で述べるダブルレバーの楽しさだ。

ダブルレバーは楽しい

SL-7700の変速操作感

SL-7700の変速性能については、問題を感じない。

換装直後は操作方法に慣れず戸惑ったが、半年ほど使い続けている今現在はとても気に入っている。

SL-7700をフリクションモードで使いFD-5800とRD-5800を動かしているわけだが、レバーを介してワイヤーで変速機を直接触っているような感覚が好きだ。

RD-5800とSL-7700の組み合わせでは問題なく変速できる
RD-5800とSL-7700の組み合わせは問題無い

フリクションモードでワイヤーを自分の意思のまま調整しながら変速機を操る感覚、これはSTIとは少し違った感覚。

古い機構であるダブルレバーなのだが、これを扱うと自転車に楽しみが一つ増える。

また、変速がスパッと決まり思い通りのギアに落ち着くと、とてもうれしい。

失敗するときもあるけれど、技術をあげる楽しみが一つ増える。

FD-5800とSL-7700の組み合わせも問題無い

シフトレバーを触る時は先読みが大事

ハンドルのフラット部に変速レバーを配置している為、変速を行うにはブレーキレバーから手を離さないといけない。そうするとペダリングに力を入れられないタイミングが生じる。

これはどうしてもしょうがないのだが、乗車に影響が無いようにするためには路面凹凸や勾配などの変化を先読みをして予め変速をする技術が必要だ。

きっとこんなことは昔の自転車乗りは当たり前していたことなのだろう。

いろんなことを考えながら、感じながら、楽しみながら、遊びながら、自然とペダルを踏んでいる。

情緒的な変化を乗り手側へ与えてくれる変速機だ。

(こう書くと大げさになるけれど)

このシステムのネガな部分

ダブルレバーをレバーハンドルマウントを使って取り付けているが、このシステムでのネガティブな面をいくつか挙げてみようかと思う。

変速をする場合は片手をブラケットから離さなければならない

上で書いたとおり、ハンドルバーのフラット部にダブルレバーを取り付けているので、変速する場合はそちらに手を添えなければならないのは仕方がないことだ。

  • ダブルレバー(シフトレバー)は重たい

STIのレバー比は神であろう。

ダブルレバーでフロントディレイラーをアウターへ上げる時、リヤディレイラーをロー側へ上げるとき、ワイヤーを引く力が必要だ。

すぐに慣れるのだが、STIと比べると重たい。

しかしワイヤーを緩める側へダブルレバーを動かす際には、力は必要無い。

リヤ側のローからトップまで一気に変速することだって可能だ。

この点だけは電動変速機やSTIを超えるスピードだろう。

BL-R400はチープだ

これはどうしようもない。ブレーキレバーに付加的な豪華さを奢っていないことは、私個人的にはプラスに捉えられる。シマノもここに開発コストをかけるメリットは薄いだろうし。だが、このチープさを嫌う人も多いと思う。

ハンドルにいろんなものを載せることになる

ハンドルバーのフラット部両側にダブルレバーを搭載することで、余りのスペースが少ない。他のライトやサイコン類との干渉に注意が必要だ。

色々とごちゃごちゃしやすい

まとめ

CAAD12を購入する時点では想像もしていなかったダブルレバー導入。

まさかクロモリロード以外にダブルレバーを使用する意義があるのかという点で、私自身が使ってみて目からウロコなことをいくつか学ぶことができた。

”楽な事”は”楽しい事”と同一ではないのだなぁとしみじみ思う。

また不便さは楽しいことだとも思う。

便利さを追求している現代において、自転車の上だけでも不便さを体感し、日常の色々な便利さをありがたいものとも確認できる。

ダブルレバーを導入する前に電動変速機についても導入を検討してみたけれど、思い浮かぶネガな点から導入には至らず。電動変速機を使ったことが無い身分から、その点については言及を避ける。

実は、予備のSL-7700はあと3本あるのだがこれを使い切る時が来るだろうか。

SL-7700の予備軍。良いものは良いのだ。無くなると困る。

2020年ロードバイクアドベントカレンダーに投稿した記事です。

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