ゲーム好きな自転車乗りの私が考えた、GoPro9 Blackの動画編集”も”できる自作PCが完成するまでの過程をつらつらと書いていく。
PCの運用目的は最大5K動画再生編集とオンラインゲームフォートナイトの快適プレイ。
構成にかかる予算は、10万円台。
できれば安価に、安定性を高く、というテーマで組んでいく。
私の自作PC処女作なのけれど、うまくいくかしら。
なお検討期間は2020年の9月ごろから始まり、11月初旬に購入している。
新PCのパーツ構成
ここからは新PCの構成について書いていく。
PCパーツは以下の順で選んでいった。
- CPU
- マザーボード
- メモリ
- ストレージ
- グラフィックボード
- 電源
- PCケース
CPU
まずはじめにCPU。
大きく分けてIntel社かAMD社かという選択肢があるが、価格性能比を考えると現状AMDが勝っているという判断。
その中でミドルグレードでコストパフォーマンスと性能の両立が良いRyzen 7 3700x(Zen2)が第一候補に挙がった。
が2020年11月に入りRyzen5000シリーズ(Zen3)の発売が始まった。
ZEN 2 とZEN 3
この表では表せない機能があるが、新型CPUになれば同じ性能で消費電力は低く抑えられる、また消費電力は同じでも性能が高くなる、などの傾向がある。
上の表のZEN2 アーキテクチャ CPUよりも、下の表のZEN3アーキテクチャCPUのほうが、同グレードであれば性能が高い。
(例えば5950Xと3950X、5900Xと3900X、などでは5000番台のほうが性能が高い。)
CPUの選択
Ryzen 7 3700X
もともとの予定では、赤マーカーを引いたRyzen 7 3700Xを購入予定だった。
相場価格が税込み約40000円。
ハイエンドCPUの半額でミドルハイの性能。
Ryzen 5 5600X
Ryzen 7 3700Xと同価格帯同レベル性能をZEN 3 アーキテクチャシリーズの中で選ぶと、緑マーカーで引いたRyzen 5 5600X がそれにあたる。
- Ryzen7 3700Xの方が動画編集能力が高い。(マルチスレッドスコアが高い)
- Ryzen 5 5600Xの方がゲーム性能が高い。(シングルスレッドスコアが高い)
こういう傾向にあるようだ。
相場価格が税込み約40000円。
Ryzen 5 3600X
ZEN3 Ryzen 5 5600Xと同グレードをZEN2で見ると、黄色いマーカーで引いたRyzen 5 3600X。
相場価格は税込み約30000円。
選んだCPU
このあたりから選択すると、性能が低くTDP【熱設計電力 / Thermal Design Power】の高いRyzen 5 3600X は選択肢には入らない。
またこれ以上の性能が必要なのか不明なので、Ryzen 7,9シリーズの多くも選択肢から脱落。
もともと購入予定であったRyzen 7 3700Xとほぼ同性能、同価格帯で新しいZEN3 アーキテクチャ Ryzen 5 5600Xを購入した。
購入価格¥39380。
マザーボード
CPUを決めた後
- チップセット→マザーボード選択
の順で絞っていった。
チップセット
AMD Ryzen 5 5600Xに対応するチップセットは、執筆時点(2020/11)ではのAMD 500 シリーズチップセット(X570・B550)のどちらから選択することになる。
前世代AMD 400 シリーズチップセット(X470・B450)は、現時点(2020年11月)では ZEN3アーキテクチャCPUに未対応のようなので、選択肢からは除外した。
X570、B550の大きな差は、X570はPCIe 4.0を複数使えるがB550は一つしか使えない点。
PCIe 4.0 でM.2 SSDを複数使いたいというニーズがあればX570を選択していたと思うが、オーバースペックだと考えた。
その他細かい点に違いはあるが、比較的安価なマザーボードが揃う後発の廉価版B550からマザーボードを選ぶことにした。
基盤の規格
まず基盤の大きさから選択をしていく。
マザーボードの基盤サイズは大きく以下の3つある。
- ATX(305mm x 244mm)
- Micro-ATX(244mm x 244mm)
- Mini-ITX(170mm x 170mm)
- 大きいマザーボードは拡張性が高く、余裕のある構成ができる。
- 小さいマザーボードは機能は限られるが小型PCケースに組むことができる。
自作初心者の私は無難に一番大きいATXを選択。
チップセットB550、基盤ATXのマザーボードを選ぶ
チップセットB550の対応各社マザーボードから選択するには、初心者には選択肢が多すぎて困った。
必要機能を考えていると、耐久性の高さが欲しいが他に拡張性や装備に特にこだわりはない。
低価格グレードは避けて無難にミドルグレードから選択し、大体同等機能を備えておりかつ安価な製品を選んだ。
そこで、定番の中から
- 【ASRock】B550 Steel Legend
- 【ASUS】TUF GAMING B550-PLUS
の2点に絞り¥5000程度安価なASUS TUF GAMING B550-PLUSを買うことにした。
購入価格¥15418
メモリ
メモリの規格的な知識が少なく何を基準に選んで良いのかが終盤まではっきりとしていなかったのでメモリの選択はなかなか難しかった。
定格メモリとオーバークロックメモリ
私が調べた中で一番重要だと感じた規格の知識は、DDR4メモリの動作電圧は1.2Vが標準規格、1.35Vなどはオーバークロック扱いということだ。
こちらが非常に詳しい。初心者には全てを理解できないが何度も目を通した方が良い。
wikiのDDR4メモリの表にJEDEC規格の対応についても記載がある。
JEDEC規格に対応しているか確認
定格メモリ
安定性を求めるなら定格メモリ。
キーワードは
- JEDEC規格に対応
- ネイティブ表記
- 動作電圧はDDR4なら1.2V
- SPD
このあたりを抑えておく。
オーバークロックメモリ
高性能を求めるならオーバークロックメモリ(O.C.メモリ)。
キーワードは
- 高クロック
- 低レイテンシ
- 動作電圧はDDR4なら1,35V
- XMP
こんな感じだろうか。
RyzenシリーズはCPUに合うメモリ周波数があり、メモリ周波数がCPU性能に影響を与えるようで、高性能を追及するとオーバークロックメモリを求めるようだ。
オーバークロックメモリは(そうでなくても?)マザーボードとの動作確認がメーカーに記載されているが、動作保証という意味ではないそうだ。
選んだのは定格メモリ
私は初心者なので定格メモリで安定性を狙っていく。
そしてCPUのメモリ対応を確認する。
CPUとメモリの組み合わせ(対応帯域と数の確認)
Ryzen 5 5600Xの対応メモリは以下の通り。
対応メモリー | DDR4-3200 (2DIMMまで) DDR4-2933 (1Rank / 4DIMM) DDR4-2667/2400 (2Rank / 4DIMM) |
DDR4-3200のメモリだと2本まで対応している。
メモリの容量
動画編集において、メモリの容量は高解像度の動画を扱うのであれば大きい方が良い場合があるようだ。
実際に私の用途でメモリ不足に陥りスワップを起こす事があるかはわからないが、昔のPCでそれを起こしてかなり不快だった記憶がある。
余裕をもって、CFD Selection W4U3200CM-16G [DDR4 PC4-25600 16GB 2枚組]を選択した。
これでメモリ容量は32GB。
購入価格¥14100
ストレージ
SSDとHDDの購入について検討してみたが、HDDとSATA SSDは所有しているので流用できる。
購入を検討したのは、M.2 SSDというSATA SSDよりも高速読み書きができる新しい規格のSSD。
M.2 SSDの規格( SATA3.0、PCIe3.0、PCIe4.0)
M.2 SSDにも規格が複数あり、M.2 ソケットへ挿入する同形状でも転送速度が異なるPCI Express4.0とPCI Express3.0とSATA3.0接続がある。
- PCI Express 4.0の最大転送速度は64Gb/s
- PCI Express 3.0の最大転送速度は32Gb/s
- SATA3.0 の最大転送速度は6Gb/s
上の速度は”最大”なので、搭載するSSDやマザーボード、チップセット、CPU、環境によっては挿すM.2ソケットなどによって、実速度は変わるようだ。
上で選んだマザーボードもCPUもより高速なPCIe4.0に対応しているけれど、色んな記事を読んでいると実用上それほど必要性が高いものではない、という印象。
PCIe4.0 M.2 SSDの価格は、PCIe3.0のものの2倍程度なので現時点では3.0で十分だろう。
そこで、導入するストレージとしては、SATA SSDよりも高速なM.2 SSD PCIe3.0を購入することにした。
その中で安価で速度も中程度発揮してくれるWESTERN DIGITAL WD Blue SN550 NVMe WDS100T2B0C を選んだ。
SSDは同じ製品でも容量が異なれば転送速度が違う。
WESTERN DIGITAL WD Blue SN550 NVMe WDS100T2B0C は1TBの製品で以下の転送速度、処理速度が表記されている。
- Seq-Read 2400MB/s
- Seq-Write 1950MB/s
- Random-Read 410k IOPS
- Random-Write 405k IOPS
購入価格¥12799
ただし、動画編集作業では高速ストレージが利便性が高いようなので、必要に応じてPCIe4.0 M.2 SSDを検討したいところ。
グラフィックボード
グラフィックボードのコアパーツGPUが動画描画を受け持ち、主にゲームで本領発揮するが、動画編集ソフトの中にはCPUとGPU両方の力で速度アップが図れるものがある。
そのため、グラフィックボードはゲームだけでなく、動画編集にも役立つパーツ。
グラボの選び方
【オンラインゲーム フォートナイトをフルHDで144fpsをキープ】
これを目標にする。
PC導入時に快適でも、ゲームアプリやOSなどソフト面のアップデートが進むとハード面がきつくなるので、余裕あるスペックを選びたい。
NVIDIAとAMD
NVIDIAとAMD、2社GPUメーカーのうち、
- NVIDIAはゲーム用途で有利
- AMDはクリエイティブ用途で有利
と言われている。
ゲーム用途を優先し、NVIDIAを選ぶ。
NVIDIA Geforceシリーズ ラインナップ
NVIDIAのGPUは、2020/11/17時点主に3種類ラインナップがある。
- ロ~ミドルのGTXシリーズ
- ミドル~ハイのRTX20シリーズ
- ハイ~ウルトラハイエンドのRTX30シリーズ
RTX30シリーズは発売したばかりで、性能はハイエンドスーパーアッパーって感じで、値段もスーパーアッパーだ。
選択肢には入れられない。
Geforce RTX 3090。ロードバイクが買える値段だ。ロードバイクは安い。
Geforce GTX 1660 SUPER
一番目に選択肢に挙がったのは、赤いマーカーで塗ったGeforceGTX1660SUPER。
ローハイ、ミドルロー価格帯のグラボ。
フォートナイトは動作が軽いとはいえ、場面によってはFPS低下が起こる可能性も考えた。
ここでケチってしまうと満足感が半減しそうだ。
価格は税込み23000円ほど。
Geforce RTX2060 SUPER
黄色いマーカーで塗ったGeforce RTX2060 SUPER
ミドルグレードだ。
ちょうど全体の真ん中あたりに位置する。
各記事を読むとこのあたりのグレードだと144fpsもほぼ問題なく出せそうだ。
価格は税込み40000円ほど。
Nvidiaサイトによると、RTX2060は動画6Kの編集まで可能ということらしい。
購入したのは Geforce RTX2060 SUPER
そこで最終的にGTX1660SUPERの2グレード上の、RTX2060 SUPERにすることにした。
ゲーム面でも動画編集面でも、ニーズを十分に満たしてくれると思われる。
また、これよりも上のグレードRTX2070やRTX2070 SUPERは、価格が跳ね上がるので手が出ない。
実質RTX2060 SUPERが上限だ。
RTX2060 SUPERもそうだが、グラフィックボードは同じGPUを積んでいる製品であってもメーカーや製品によって値幅が広い。
できる限り価格は抑えたいので、RTX2060 SUPER を積んだグラフィックボードの中でも価格の安いもので、機能が少し高いものを選んだ。
Colorful GeForce RTX 2060 SUPER 8G Limited
Colorfulというメーカーはこの度初耳だったが、悪く書いている記事を目にすることはなく価格コムでもある程度売れているようだったので、これに決めた。
RTX 2060 SUPERを搭載したグラボの中でも低価格なのが魅力。
画像出力がDisPlayport×2/HDMI×1/DVI×1と4つあり、そのうちDPとHDMIで3端子確保されているところも良い。
そこまでモニターを増設するかは未定だけど。
購入価格¥38200
電源
電源の選択
電源は、組み合わせるパーツの消費電力でW(ワット)数で選ぶ。
電源を選択するに当たり、下のサイトが便利だった。
ここで自分が購入する予定のパーツを当てはめていくと、どうやら650W辺りが適当らしい。
また電源を選択する際に上記のパーツとの適合と下記のPCケースとの適合も考慮して選択をした。
といっても小型PCを組むわけでも巨大容量の電源を選択するわけでもないので、大体は大丈夫なのかも知れない。
電源変換効率
電源を選択する上で電源効率というのは多くの製品に記載がされている規格で、下は80PLUS STANDARD 上は80PLUSTITANIUMで表され6段階に電源効率の良さをランク付けされている。
負荷率→ | 20% | 50% | 100% | ||
ランク | 価格 | 変換効率↓ | 変換効率↓ | 変換効率↓ | |
最上位 | 高価 | 80PLUS TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
80PLUS PLATINUM | 90% | 92% | 89% | ||
80PLUS GOLD | 87% | 90% | 87% | ||
80PLUS SILVER | 85% | 88% | 85% | ||
80PLUS BRONZE | 82% | 85% | 82% | ||
最低ランク | 安価 | 80PLUS STANDARD | 80% | 80% | 80% |
玄人志向KRPW-BK650W/85+
650Wの電源のうちコスパの高いのは、玄人志向KRPW-BK650W/85+。
玄人志向KRPW-BK650W/85+は80PLUS BRONZEで下から2番目で、電源変換効率が良い製品ではない。
本体直付けコード2本の他はプラグイン配線で不要なコードは取り外しができる。この辺りは便利そう。
これで必要十分かとも思っていたけれど、できれば電源もミドルグレードで無難に揃えて置きたい気持ちもあり、他のパーツでコストカットができた分ここでも少しランクを上げておいた。
ANTEC NeoECO Gold NE650G
購入した電源は、ANTEC NeoECO Gold NE650G。
電源効率は80PLUS GOLDで、上から3番目、下から4番目。
この製品もセミモジュラー(セミプラグイン)で、大きさはW150mm×D140mm×H86mm。
購入価格¥9480
PCケース
初めての自作PCということなので、マザーボードは大きい規格のATXを選択し余裕のある組付けを優先した。
マザーボードの規格によってPCケースの選択幅が変わる。
PCケースも同様に普通に使えるものであれば、小型化や細かい使い勝手にはこだわらない。
価格の低いものから選択し、この1択になった。
色は黒を選択。
低価格製品なのであまり質感などに訴求することはないだろうけれど普通に使えるのか。
購入価格¥4356
ハードウェアのまとめ
自分なりに必要な箇所へ投資し、機能的に不要なところはコストカットをしていったつもり。
一旦まとめてみるとこのような構成になった。
メーカー | 製品名 | 参考URL | ||
CPU | AMD | Ryzen 5 5600X BOX | ¥39380 | AMD |
マザーボード | ASUS | TUF GAMING B550-PLUS | ¥15418 | ASUS |
メモリ | CFD | Selection W4U3200CM-16G [DDR4 PC4-25600 16GB 2枚組] | ¥14100 | CFD |
ストレージ | WESTERN DIGITAL | WD Blue SN550 NVMe WDS100T2B0C | ¥12799 | Western Digital |
グラフィックボード | Colorful | GeForce RTX 2060 SUPER 8G Limited | ¥38200 | Links |
電源 | ANTEC | NeoECO Gold NE650G | ¥9480 | Links |
PCケース | Thermaltake | Versa H26 ブラック | ¥4356 | 株式会社アスク |
合計 | ¥133733 |
全体的に飛び抜けて高機能なものや低価格なものを選ばず、中庸というかバランス型というか、飛び抜けた部分が無い構成になった気がする。
安定性を求めた結果のこの組み合わせだけれど、うまく動いてくれるのか。
初めての自作PCなだけに心配。
さて、組み立ててOSを入れて、きちんと動いてくれるのか。
(続く)
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