【フリーボディ摩耗】マビック キシリウムプロエグザリットSL(後輪)が寿命を迎えた話

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2017/1/3から日常的に使っていたマビックのキシリウムプロエグザリットSL(走行距離約45,000km)が寿命を迎えた話。

決定的な異変に気付いたある日

2022年11月4日、いつも通り自転車に乗っていると、リヤ変速の調子が悪いことに気づく。

スプロケットを触ってみるとグラグラと動く。遊びにしては大きすぎるし、変速不良の原因はこれだと分かった。

前日にフリーボディオイルの入れ替え作業をしたので、原因はスプロケットロックリングの締めが不十分なのかと思ったけど、確認してみるとロックリングはしっかりと締まっている。

翌日フリーボディの分解を行い内部をいろいろと確認した結果、

下図二つ

  • ④ハブ本体のフリーボディ
  • ⑨フリーボディキャップ

の摩耗が進んでいることがスプロケットぐらつきの原因だと分かった。

Mavic TECHNICAL DATA Ksyrium Pro Exalith SL より引用

摩耗が進み使用ができなくなった現在の状態

寿命を迎えたキシリウムプロエグザリットSL(走行距離45,000km)とまだまだ走れるアクシウム(走行距離5,000km)のフリーボディ内部の状態を比較してみる。

がたつき

アクシウムとキシリウムのフリーボディのガタつきを動画で確認する。

まずはアクシウムの方。指でフリーボディを動かすがほとんど動かない。

対して、寿命を迎えたキシリウム。指でフリーボディを動かすと左右にがたつきが確認できる。

(微妙に根本が動いている+指で触っているフリーボディ先端の振れ幅が大きい)

フリーボディ内部の状態

アクシウムと寿命を迎えたキシリウムのフリーボディ内部を開けて比較する。

まずはアクシウム。

まだまだ走れるアクシウムのフリーボディ軸を見ると、黒い塗装が残っているし、スポーク側根本の部分は一段高い丘になっているのが分かる。これが本来の姿。

フリーボディ軸の根本が一段高い

対して、寿命を迎えたキシリウムのフリーボディ軸側を確認すると、スポーク側根本が銀色に摩耗しているのが分かる。

金属素地が露出しているし、もともと一段高い丘のはずが、削れてしまい一段低い谷になっている。

高かったはずのフリーボディ軸根本が削れて低くなっている

別の角度からアクシウムのフリーボディ軸を見ると全体的に塗料で覆われているし、軸の根本は一段高いのが分かる。

フリーボディ根本が一段高い。これは正常。

寿命を迎えたキシリウムは、摩耗が進み2本の銀帯が現れており、フリーボディ軸根本は削れて低くなっている。

銀色でキレイに見えるがこれは異常。

寿命を迎えたキシリウムのフリーボディキャップを確認する。

摩耗が進んだキシリウムのフリーボディキャップ

目視で摩耗の進み具合は判別ができないが、これをアクシウム本体にはめるとガタつきが確認できる。

また逆に、アクシウムのフリーボディキャップを寿命を迎えたキシリウム本体にはめると、これもまたがたつきが確認できる。

このことからキシリウムのフリーボディ軸とフリーボディキャップ両方の摩耗が進んでいると考えられる。

数々の予兆

摩耗がここまで進むまでに、数々の予兆があったが見逃していた。

(仮に予兆が見られた段階でフリーボディの摩耗進行を予見していても、結果的に摩耗進行を止めるのは難しかったのかもしれない。その理由は後述。)

例えば、下の記事で書いたように、ペダリング時などたびたびガコッ、ガリっという金属音が発生していた。

駆動系パーツを刷新してみると確かに頻度は減ったが、その後も異音が続いていた。

この異音は、スプロケットのアライメント不良によりチェーンとスプロケット歯との正しい位置関係が保てずに、金属摩擦が起こっていたものだろう。

また最近気づいたのだけど、下の動画のようにスプロケット(正しくはフリーボディの角度)の回転角度によって、ガタガタと擦れるような異音が出ていた。(走行中は分からない程度)

フリーボディ内部での、フリーボディ軸とフリーボディキャップとの摩擦によりで起こる異音だと思われる。

(ハブベアリングを指で触り確認したが異常はない)

さらに昔の記事(2020年10月31日)で、フリーボディ(FTS-L)の適切なオイル量について書いているが、記事内でも触れている

走行中

”ぶおおぉぉぉおおおん”

とかなり大きな異音が発生したことがあった。

その時点でフリーボディ内部の摩耗が始まったと考えられる。

2020年10月時点での状態。汚れで見にくいが、ハブ本体側の根本は少し銀色(金属素地)が見えている。

黒い塗料が摩耗により落ちているのは認識していたが、塗料は金属摩耗を防ぐ為のモノなのかもしれない。

フリーボディ内部摩耗進行のメカニズム

フリーボディ内部摩耗は以下のような機序で進んだのではないかと思う。

  1. フリーボディキャップ樹脂とフリーボディ軸の摩擦により、フリーボディ軸側の塗装が剥がれる。
  2. フリーボディ軸金属素地とフリーボディキャップ樹脂が直接触れ、回転運動により金属摩耗が進む。
  3. 削れ出た金属により、塗装や金属、樹脂の摩耗が進む。
  4. 摩耗が進みフリーボディのガタつきに現れる。

一度金属が露出する状態になると、3の状態に陥り、フリーボディオイルが正常に満たされていても、フリーボディ内では自ら削りだした金属がフリーボディ自身をさらに削るというサイクルが生まれてしまうと考えられる。

金属露出まで至ってしまうと摩耗の進行は止められないのかもしれない。

自分の場合は、1の前段階でフリーボディオイル不足を起こし、異音を発生させたことが事の発端だと思う。

が、FTS-Lで画像検索すると割とフリーボディ内部の塗装が剥げているホイールが散見されるので、決して珍しい状態でも無さそう。

マビックのFTS-Lフリーボディ採用ホイールをお使いの方は、フリーボディの摩耗によりホイールが終わるかもしれないので、大事にお使いください。

まとめ

45,000km走行したMavic Ksyrium Pro Exalith SL(後輪)が約6年弱の使用期間で寿命を迎えた。

直接的にはフリーボディ摩耗が使用不可の原因だが、エグザリットリム(後輪のみ)に至っては走行10,000km弱からエグザリットが摩耗しただのリムに変化していた。

修理については、ハブを全交換しなければならず、そうなるとエグザリットリムも交換するし、(使えるのはスポークのみw)、エグザリット専用ブレーキシューの確保も今後難しくなるだろうから、このホイールは使用終了にする。

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この後、後輪を購入しました。

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