2025年4月6日、神戸のきっついブルベ200kmへ参加した話。
参加動機
毎年参加したい、神戸のきっついブルベシリーズ200kmバージョン。
このブルベ出走には準備と覚悟と諦めが必要で、今年はモチベーションをどう持ってくるかが1つの壁になっていた。
昨年は怪我でブルベはほぼ乗れず、今年は2月からロングライドをリスタートした形になった。
ブルベをまともに走らず弱った身体で、いったん達成した目標に再度照準を合わせてモチベーションを高めるのが難しかったが、今回の動機付けのトリガーは、2025年フレッシュ参加(結果的にフレッシュはDNSとなったが)。
フレッシュに向けて300km×2本を出走し、このブルベを迎えた。
コース
神戸発、京都府までの時計回り山越えライド。
交通量の少ない道が選ばれており走りやすいが、累積標高が実測5000m以上に達するので普通にきつい。
ちなみにこのシリーズには今回が4度目出走となり、今までは初参加の3年前だけ完走できていた。このブルベには悪魔が住んでいる。
今回完走して勝率2/4へ上げられるか。
準備
200kmブルベと言えど、ヒルクライムジテツーだけでは追いつかないので、通勤路で可能な限り練習をすることにした。
あとは、日々の筋トレ。
ただ覚悟と申し込みを決めたのが開催の1カ月前。積み上げるトレーニング時間は無かった。
ブルベ前一週間は何の疲労なのか、疲労がなかなか抜けず本番前二日間はできるだけ休養するように心がけた。
本番の痛み辛み苦しみは諦めて受け入れることにして、どこまで走れるのかわからなかったのでとりあえず走れるところまで走ろうということにした。
当日の装備
1週間前の雨予報から、曇り予報、晴れ予報と変わり、最終的に気温は朝10℃、日中は20℃ほどまで上昇する予報となっていた。早朝の1時間ほど小雨予報。
服装は春夏装備ベースで冷え対策を加える。
上は、モンベルジオラインL.W.半袖、スマートウール半袖ジャージ、にアームカバー。
下は、パールイズミ製レーパンにおたふく手袋製シンウォーマー、モンベルメリノウールネックウォーマー。
水分はツーボトル体制で1本は水を満タンに、もう1本は途中の補充用に空にしておいた。結果的にトレランベストにペットボトルを入れられるので、シングルボトルで十分だった。
食料は、ナッツキューブ(自作)を900gほどをキャメルバック製トレランベストに、カロリーメイトと羊羹をオーストリッチ製ハンドルバーバッグに入れた。
自転車の方は、サドルを新品のセライタリア ストリカへ交換した直後。革がまだ柔らかくなっておらずお尻の痛みが懸念されたが、予想通りお尻が痛くなった。

当日スタートまで
HAT神戸(自宅から30分)を6時スタート。
3:30起床、4:40自宅発。自走でスタートへ行こうと思ったが、早朝小雨予報だったので車移動。
スタート周囲に停める予定だった駐車場の多くが満車で焦ったが、1台だけ空車があり事なきを得た。
5:20ごろ現地に着くと数人の参加者が。しばらくすると主催も到着され、参加者が増えて賑わった。きっついブルべ常連の名刀ムラマサさんともお話ができ、今回は多くの時間をご一緒することになった。



スタート~通過チェック3 永澤寺(63km)
ブリーフィング、検車を終えて6:00前にスタート。
スタート地点(HAT神戸 なぎさ公園)の桜を撮影してスタート。小雨も収まり今日はお花見ライドになりそうな予感がしていた。

スタートしてすぐ、いつもの通勤路、再度山ドライブウェイ登り口へ到着。

今日は序盤からほどほどに、ゆっくりすぎず早すぎず、200km区間ぎりぎり保てるペース配分で走る予定だった。
上りはじめにぐれおくんさんが道端でパンクしているのを発見。いきなりパンクは大変だ。

顔の広いムラマサさんのお知り合いの方々と一緒に会話をしながら登る。
雨予報のためグラベルロード(フロントシングル)で走っておられ、前日はチーム練習で追い込んできたという方とお話ができた。うーむ強すぎる。こちらは二日間、足と体を回復させるのに一生懸命だったというのに。
6:35 通過チェック1 再度公園入口に到着(9.3km,48分)。

いつも走っている道なので物珍しさは全くないが早朝上るのがブルベの時ぐらい。
この先の小部峠からR428を一気に下って、次の岩谷峠へ。

岩谷峠へ上がる道中の桜をパシャリ。

まだ少し肌寒さを感じるが、上りではジャージ前を開けアームカバーを手首側へずらして走った。
峠を越えて下り途中で工事停車があり、ムラマサさんなど計5名?としばらく一緒に走ることになる。
ここからしばらく軽いアップダウンが続く。
列車になって走るが、各々得意不得意がはっきり分かれている感じで、チタンフレームの軽量な方は上りが早く、下りはムラマサさんが早い。列車のようでそれぞれ自由に走っている感じでこちらも無理せずマイペースに走ると、上り下り合わせてみなトントンのペースに落ち着いたまま、7:55 通過チェック2 吉安上公民館に到着(38km、2:06)。

この先チタンフレームの方とも軽くお話をしながら走る。このコースは上りが多いので話がしやすいのだ・・・

三田の平地区間はムラマサ快速列車に乗せていただき、あっというまに次の山へ向かう。
青野ダム(千丈寺湖)のほとりを越えた先の信号でムラマサさんと離れて、永沢寺へのきつい上り(最大斜度13%)をできるだけ呼吸が上がらない程度のペースで上る。
途中とても速い人に抜かれ、峠の女神様に挨拶をしながら追い越して、ムラマサさんとグラベルロードの方に追いつく。
競争しているわけではないが追いついたら一緒に走る、ということが多い。

通過チェック3 永澤寺(63km)~PC1 船阪親水公園(101km)
9:15 通過チェック3 永澤寺 看板(63.3km,3:27)。



地名は永沢寺(えいたくじ)、お寺の名前は永澤寺(ようたくじ)。
ここまでナッツキューブ(自作)を積極的に食べ続けていたが若干空腹感を感じていたので、予定していたコンビニで食事(昼食?)を摂ることにした。
9:40 ローソン 篠山八上下店(73km,3:50)で15分食事休憩する。
到着直後に女神様も立ち寄られる。自分の思惑と同じで、昨年使った別のコンビニは使いにくかったからここを選んだ、とのこと。用事を済ませて早々に立ち去られる女神様を見送りながら、大盛ミートソースパスタを平らげ、おにぎり3つを携行食にする。
脚の疲労感を感じていたが、食事を摂ると少し回復する感じがあった。
篠山市街地からさらに北上したところの桜。このあたりはまだ十分に開花していない。

少し先へ行くと去年のおぼろげな記憶が蘇る村を通過する。
道沿いのあちこちに人形が置いてある。人形村かな??と思っていたが、調べるとかかしのようだ。丹波篠山市市野々という地域。


市野々を越えたあたりから徐々に天候が怪しくなり小雨が落ちだした。雨雲レーダーを見ると、雨雲の一群がにわか雨を降らすようなのでかまわず進むことにした。
次第に強まる雨。

向こうの空は晴れているのですぐ止んでほしい、と思いながら峠を越えて下りに入ってしばらくすると止んでくれた。
全身が濡れて、脛のあたりは凍るような冷たさを感じる。雨に濡れると膝の痛みを起こしやすいので、気にしながら進んだが異常は起こらなかった。
PC1 船阪親水公園(101km)~通過チェック5 才の神峠(154km)
数回の軽い峠を越えて、11:05 PC1 船阪親水公園(101km、5:15)に到着。

昨年より5分早く到着している。コンビニ時短が効いたか。
手早くリスタートして、コンビニ休憩前から眠気を感じてずっと飲みたかったコカ・コーラをすぐ先の自販機で購入して飲む。
次はるり渓へ。予報通りの好天で時々蒸した空気を感じる程度に暑かった。

るり渓の上りで、脚の疲労はかなり感じていて辛いな~と思いながらあまりペースを上げずに淡々とペダルを回す。
先ほどの雨でレインウェア着脱していた際にパスした3人組のうちお二方がこの坂で抜いて行く。

他の人のペースに惑わされずマイペースに走ることを意識していた。

るり渓温泉の先のピーク(京都府、大阪府の府境)から下りに入ると、去年-1℃をさしていた温度計が11℃と表示していた。13℃も暖かく今年は走りやすくてありがたいなぁと思った。
そしてちょっとした林道感のある道へ。ここも昨年は雪の中進んだことを思い出した。
今年は快適である。

籠坊温泉のほとりから、丹波篠山市と猪名川町の市境の峠でおにぎりを二つ食べる。ここからしばらく続く下り区間で消化をするために。
ここでぐれおくんさんが追いついてこられる。この先の累積標高は今までよりも多いですよね・・・ということを話した(ログを見てみると、ここまでが122km 2500m この先が97km 2400mなので、上り成分は半分を超えていたようだ。ただ疲労が積もっている)。
ぐれおくんさんは確か膝を痛めていたとおっしゃっていたが、本来膝が万全ならもっと先を走っているのだろう・・・膝が痛くてもこのコースを走れるってどれだけ豪脚なのか。すごすぎる。
リスタートしここから次の大野山へ。
大野山の上り口までは扇状に広がるのどかな田園地帯なのだが、道はのどかではなく上り口手前ですでに7-8%に至る。見ている景色や雰囲気と道の勾配が一致しないのは何度走っても同じ感覚だ。
この道中でこのあと東六甲をムラマサさんとともに上ることになるFさんに追いつく。

水分不足になっていたので上り口の自販機で水を購入。ここでFさんが別の道へ進みかかっていたのでお声をかける。
そしてこれ、昨年積雪で通行止めのバリケード一式が道端に置いている。

脚の疲労はたまる一方でえっちらおっちらゆっくり上る。
この道は自動車がほぼ通らないので助かるが、10%越えが約3km続く。
そして右アキレス腱に痛みが出てきた。最後まで走れるか、悪化しないか心配になる。
天候はとても良く、暑さを感じる。夏服を選んで正解だと思った。

13:25 展望台横の 通過チェック4 猪名川天文台 恋人たちの聖地に一人で到着(135km,7:38)。

そこにはムラマサさんがおられ、篠山のコンビニで分かれてからの思わぬ再会に驚いた。ムラマサさんは先に下って行かれ、こちらはおにぎりを食べて次の上りに備える。そうしているとFさんも到着される。
大野山山頂付近の桜は未開花だった。

大野山山頂は実は隣の丘。

下りながらナッツキューブを補給しようとするが下り坂が急すぎて食べる余裕はない。
下りきってコカ・コーラを買うため先ほどと同じ自販機へよるとぐれおくんさんがおられ、先にリスタートされる。
ここからしばらく下り基調で、才の神峠へ向かう。できるだけ足を使わないようゆっくりと下る。
上り返してすぐに見事な桜が咲いていた。

このあたりでぐれおくんさんが止まっておられすぐ追いついてこられるが、また止まって後ろから姿を消してしまわれた(あとで聞いたところ膝が痛んでおられた様子)。
才の神峠への上り口へ向かう途中で山に桜がいくつも咲いているのをパシャリ。

その先から、荒れたコンクリート舗装の急登坂が始まる。20%オーバーの勾配だ。
2年前と3年前は足つきなし全乗りにこだわっていたが、今回は完走が目標で東六甲へ上る足を残しておきたかった。
「大人になったから・・・」などとつぶやきながらさっさと自転車から降りて押し早歩きで上る。早歩きで上ると、自転車に乗っているのとあまり変わらない程度の負荷が足にかかったのであまり意味はなかったかもしれないが・・・
上る途中で桜樹群生を抜ける素晴らしい風景に出会えた。
全乗りにこだわっていればきっと見過ごしてしまっていただろう。押し歩きをして良かった。

通過チェック5 才の神峠(154km)~おまけの六甲山頂とゴール
桜に元気をもらったのか、ここから峠まで乗車して進んでなんとか通過チェック5 才の神峠へ14:30到着(154km,8:40)。

上がると女神様がおられ、ここまでくればあと一息、東六甲は足をとりあえず回していれば上りきれる。などと励ましあった。
本当にきつかったので、顔はきっと疲労困憊だったはずw
峠の反対側へ下り、長谷の棚田の風景を眺望できるポイントでパシャリ。

大阪府能勢町と兵庫県猪名川町の府県境(阿古坂峠)を越え、田園風景をゆっくりと進んで今回のブルベ初のコンビニPC PC2セブンイレブン猪名川パークタウン店に15:20到着(167km,9:20)。女神様や他参加者の方がおられた。

過去この先の東六甲の上りで、脱水やハンガーノックに陥ったことが何度かあったので、今回は飲食品を多めに購入。
牛乳とサンドイッチ、バタースコッチ(ブレッド)を食べる。
そうしていると、後ろからムラマサさん、Fさん、ぐれおくんさんなど、他の参加者も到着される。
一通り準備を終えてラスボス東六甲へ向かう。
足はもう終わっている感じで10%未満の坂道をひいこら言いながら宝塚市切畑へ上がり、十万辻を下って武庫川沿いへ出る。
ここからムラマサさん、Fさんとご一緒で走ることになり、共にラスボス六甲山へ上る。
まずは蓬莱峡から船坂まで上がる。
5%程の斜度から始まるが、さっぱり踏めない。本当はこの緩斜面で先ほど購入したドーナツでも食べようか、と余裕しゃくしゃくの計画を考えていたが食べながら走る余裕はなかった。
ムラマサさん達には、このペースで遅ければ先へ行ってください、とお伝えするがご一緒に上がる感じになる。
どうやらムラマサさんはFさんをコース外の六甲山頂へ案内したいご様子。
この先ペースがもし一緒なら山頂へご一緒させていただくことをお伝えする。
上っていると、おそらくこれから走る盤滝峠道付近の山々に桜が咲いているのを発見し、遠景でパシャリ。

交通量の多くてあまり楽しくない道を淡々と進む。疲労感が強まっていて、携行しているファンタを早く飲みたくなっていた。
このあたりで篠山で分かれたグラベルロード乗りの方が颯爽と抜いて行かれる。余力をたっぷり残しておられるようだった。
船坂の交差点からこれから進む盤滝峠道の方角を見ながら、ファンタを飲んで休憩。

そうしているとぐれおくんさんが追いついてこられる。この先コース上の補給ポイントは六甲山のピークを越えたところ(一軒茶屋)まで自販機がないことをお伝えし、ぐれおくんさんは船坂のコンビニへ向かわれた。脚が痛むのに結局ラストまで走りきられる様子。強すぎる。
休憩を終えリスタートしてすぐ、ムラマサさんご所望のハニー坂証跡写真を撮影。

右アキレス腱は痛むが、まぁなんとかなりそうな感じがする。どうせ踏めないし問題は足じゃなくてお尻。
踏めなくなるとお尻にダメージが蓄積してつらくなる。
15%程度のハニー坂、盤滝峠道のアップダウンを越えてようやく東六甲へ合流する。
ここからピークまで残り5km400mUP。たった5kmだが、勾配のきつい箇所では5km/h以下に落ちる。一時間かかる??
えっちらおっちら上っていると、序盤三田のコンビニ休憩で離脱されたチタンフレームの方が追いついてこられる。軽量な体格で重力を感じさせず立ちこぎでひらひらと上って行かれる。ついていこうと試してみるが、足の終わりを実感してとてもじゃないがついていけないw
そんなひぃひぃ呻き走る横を二人乗りバイカーがふざけた挨拶をしてくれて元気が出た。
このあたりでムラマサさんご所望のカーネル・サンダース人形を撮影するため休憩。
この先また10%オーバーの斜度が続く。料金所あたりを過ぎると緩くなる、と励まし合いながら上り続ける。
料金所を越えてトンネル手前あたりでぐれおくんさんがまたまた追いついてこられる(膝痛くないんですか…??)。
あとは安全に進めば勝ちだと言いながら無事一軒茶屋(ピーク)へ到達!本当に疲れた!
時間的にもまだ余裕があり山頂付近で遊ぶことになった。
一軒茶屋でムラマサさんが写真撮影をされ、その後若干気後れしたFさんと3人でブルベ的に寄らなくても良い六甲山最高峰へ。
山頂グラベルは年々難易度が下がり、上りやすくなっている。疲れた脚でも上りきれた。

そこに居合わせたカップルの邪魔をするため写真撮影をしてもらった。
そのあとも展望ポイントへ立ち寄りパシャリ。

これで神戸まで遠征してこられたムラマサさんの立ち寄り予定地点をすべてコンプリート。
心置きなくゴールPCへ向かう。
下り基調で軽いアップダウンがあるものの、走り切った充実感に包まれて上機嫌。
過去最高のウイニングラン。
ちょうど日も暮れる18:46、(ゴールチェック)六甲ケーブル山上駅へ到着(205km,12:57)。

展望台デッキから神戸の夜景を撮影。走り切った感がある。

満喫したところで3人そろってゴール受付へ。ここから先、少し上りがあるがなぜだか張り切って走ってしまった。
表六甲を注意して下り、無事ゴール受付へ到着。

道中ご一緒した参加者や主催の方々と少しの間お話をして楽しい時間を過ごしました。
まとめ
3年ぶりにようやく完走できた神戸のきっついブルベ200km。
モチベーション低迷していたが、完走することで気持ちが上がる。
所要時間は2年前のリベンジライドの時とほぼ変わらない感じで、遊びの時間を除けば12:30程。
2年前はもう少し楽に走っていた気がするが、このコースはきついので完走できただけでも満足感が高い。
装備面は狙い通りで過不足なし、補給もしっかり取れてハンガーノックを起こすことなく走れた。
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