2023年4月8日にランドヌール熊本主催によるFlèche Japon 2023へ参加した話
きっかけ
2022BRM226近畿300km橋本 南部梅林(オダキング2020)へ参加した際に、一緒に走ったお二人とフレッシュについての話をした。
そののち、2022年秋ごろに門川彩雷さん(以下彩さん)からフレッシュのお誘いがあり、masa102さん(以下masaさん)と3人で計画が進んだ。途中、もうお一方お誘いしておりご一緒するかもしれなかったが残念ながら最終的に都合が合わなくなり3人でスタートすることになった。
計画
基本的にリーダーである彩さんがあらゆることのとりまとめをして下さった。
国内のフレッシュ開催をするクラブの中から、関西圏とのスタートゴールのアクセスが簡単、という理由でランドヌール熊本主催フレッシュに決まった。
ルートを決める前に、フレッシュのルールを調べ共有をした。
ルールについてAudax JapanのFlèche Vélocioやランドヌール熊本のFlèche Japonコース設定方法に分かりやすく書かれている。
特にAudax JapanのFleche Japon 規定について補足説明には具体的な説明がされている。
ルート設定については、チーム内で色んな案が出て、最終的に2023年1月中旬に投票でルートを決めた。
(リーダー彩さんのスゴいのが、出た案全てに対してPC設置検討や大まかなタイムスケジュールまで考えておられた…)
投票で決めた最終ルート精査の段階で距離の調整が必要になり色々検討(これもいくつか案が上がった)した結果、距離を伸ばすためにスタート地点を初案の尾道から福山へ変更となった。
(この間のslackのやりとりはホントに良い協力体制が取れていたと思うし、推進力のある彩さんと細かな部分のサポートがうまいmasaさんのコンビがうまく機能してる。私はちょっぴりGPXいじる程度。)
申し込み受付開始日(2023/2/1)に定員以上の申し込みがあった場合、抽選となってしまうので受付開始当日に申し込みをすることになった。
当日2/1にも懸案事項が出たのでルート修正を進め、何とか主催へ提出することができた。(この日はほぼ彩さんの単独作業となり申し訳ないことでした。)
ルート
最終的に決まったルートは、広島県福山市スタートで熊本市ゴール。
途中フェリーを使う為、ルートは前後半に分かれる。
前半ルート
前半ルートは、約230km。
広島県福山市スタート、しまなみ海道を通り愛媛県へ。
愛媛県の北海岸線を西へ進んで愛媛県最西端佐多岬半島に向かう。
佐多岬半島の三崎港から国道九四フェリーに乗船(乗船30分前受付、乗船時間約70分間)し大分県佐賀関港へ。
後半ルート
後半は、フレッシュ認定(24時間で360km以上走行が要件)の為には約130km以上の走行が必要となる。
佐賀関港から始まり大分市を通過し、別府から山岳地帯に入り湯布院、牧ノ戸峠を経て阿蘇北外輪山の大観峰を越えて熊本市へ下る。
準備
自宅神戸から出発地広島県福山市への新幹線輪行、ゴール地熊本から伊丹空港の飛行機輪行という移動になるが、新幹線と飛行機輪行は初めてなので、それらの方法についても教えてもらったり調べたりした。
行きの新幹線はスマートEXで3月末に予約をし、帰りの飛行機は教えてもらったANA創業70周年のスーパーセールを使って2月末に予約した。
前日泊の福山市のホテル予約は2月中旬に入れたが、その後全国旅行支援が令和5年4月以降も継続ということが決まってから、3月末に予約しなおした。
ドロップバッグについては予定ではゴール後に温泉へ入る話になっていたので、着替や靴を20Lバックパックに入れて温泉近くのヤマト運輸営業所受け取りにして、出発日の前日に送付した。
出走日が近づくと、当日の天気や風向き予報の共有があり、それを元に装備を整えた。
予報によると日中の気温は最高15℃くらい、山岳ゾーンで迎える夜間は最低0度以下、日中の最大風速9m、天候は概ね晴れ、という感じで、風強く気温差が大きくハードそうだ。
風向き予報は下写真のように強風の横風向かい風。
最終的に決めた装備
スタート(午前8時)の服装
・上はファイントラックのドライレイヤーの上に夏半袖インナーとアームカバー+スマートウールの薄手半袖ジャージ
・下はパールイズミ ツアーパンツ
・首にはネックウォーマー
・手袋はモンベル WIC.クール サイクルグローブ
・ウインドブレーカー代わりにモンベルトレントフライヤージャケット。
夜間の防寒対策
夜間の防寒対策として
・上はモンベルスーパーメリノウールM.W.中厚手、パタゴニアウインドシールドジャケット
・下はゴアウェア C5 ゴアウィンドストッパー トレイルパンツとモンベルバーサライトサイクルパンツ
・手袋はモンベル サイクルオーバーグローブとモンベル トレールアクショングローブ
・頭には冬用に使ってるホグロフスのキャップ
・足元はモンベルサイクルレインシューズカバー
これでもキツイとき用にエマージェンシーシート、雨が降った後用に圧縮タオルを用意した。
ウェアが多くかさばって収納するのに難しかったので、それぞれのウエアを畳んで輪ゴムで固定し体積を減らす工夫をした。
その他の道具
ウェア以外だと、チューブ2本、タイヤレバー2本、パンクパッチ、タイヤブート、タイラップ、チェーンピン、ディレイラーハンガーなどなどいつものツール。
荷物の体積を減らす為に、以前から気になってた携帯工具の軽量化に取り組んだ。レザインの携帯工具RAP14からチェーンカッターを取り外し、PB SWISS TOOLS 470M バイクツール用ビットホルダーを導入し省スペース・軽量化を図った。
電池類は、予備の乾電池はEtrex用に単3を2本、リアライト用に単4を3本、CATEYE VOLT800の予備バッテリーを1本。フェリーでのスマホ充電用にUSB-C充電器。
他には、プロテクトJ1とASOSSシャモアクリームをクリームケースに入れ、リップクリームとロキソニンテープも携行することにした。
自転車と人の積載と装備
自転車の積載・装備は、フロントライト2灯、ベル、フロントバッグ、ボトル、輪行袋、サドルバッグ、リヤライト2灯。
装備をオルトリーブサドルバッグLに全て収めるのは無理だったので、キャメルバック ハイドロバッグライト2.5をバックパックとして、グレゴリーテイルランナーをヒップバッグとして使い走ることにした。
バックパックとヒップバッグを装備し走ることになり走行時の不快感が心配だったが、実際走ってみるとヒップバッグに重量物を、バックパックには軽量でかさばるウェア等を入れることで、負担の分散がうまく図られて、不快感は皆無だった。
セーフティージレは、このフレッシュに合わせてnoztoffのものを購入。
なんとラスト一着を手に入れてしまったのだった。
行動食はオーストリッチ POTARIフロントバッグライトXに収納。
主には羊羹とミックスナッツと飴玉。あとは買い足しでミニあんぱんやおにぎり等。
出走前日
出走前日4/7、午前中にドロップバッグをヤマト運輸で熊本の営業所止めで送付した。
その後は所用を済ませて、予約していた新神戸駅17時頃発の新幹線へ向かう。
乗車前に輪行袋へパッキングしていると、オーストリッチ リヤエンド金具の固定がおかしいのに気づく。
どうやら金属疲労によりコの字型パーツの穴が拡がってしまったようだ。幸先が悪い・・・。
初めての新幹線輪行+新幹線乗るの久しぶりでワクワクしながら乗り込んだ。
スマートEX予約で、特大荷物スペースの予約をしており、問題なく自転車を置くことができた。
一時間ほどでスタート地点がある福山駅に到着し、たまたまmasaさんと合流。
同じ宿をとっていたのでチェックイン後し19時からの作戦会議場所へ一緒に向かう約束をする。
ホテルの部屋で荷物の確認をしているとOlight RN800が輪行袋内部でスイッチ長押しされたのだろう、誤作動点灯していた(輪行袋のスタッフバッグがちょっと溶けたぐらいで済んだ)ので再充電。
スマホ用にTypeC充電器をもってきて良かった。
masaさんと一緒に作戦会議場へ向かうと彩さんが先に到着しており、3人で入店。
乾杯もそこそこにブルベカードの受け渡し、PCの確認・不要PCの修正作業、当日のペースの確認、masaさんが作った国道九四フェリーの乗船時間パターン別AプランBプランの確認、等を行った。
21時頃解散し、宿へ戻り準備をして寝た。
出走当日
出走当日4/8、宿から5分ほどのコンビニを8時スタート。
6時頃からもぞもぞと起床し7時頃にホテル外で輪行解除し、その後朝食をとる。ちょっと欲張って洋食を一通り食べた後和食を一通り食べた。おかげてお腹いっぱいになったけど、スタートギリギリになってしまいチェックアウトでちょっと焦っていた。
ホテル外に出るとmasaさんと彩さんが準備中のところに合流。3人でスタート地点のコンビニへ向かう。
前半戦
スタート地点福山市からしまなみ海道
福山周辺のコンビニを8時にスタート。
半袖ジャージの下に半袖インナーとアームカバーを着用しているが、結構肌寒いのでその上にモンベルトレントフライヤージャケットを着用。
が、5km程走ると暑くなり信号待ちでジャージ姿になった。
(自分は冷えるとお腹を下してしまうことがあるので保温には気を付けている。)
3人のローテーションを走りながら決めつつ、5km毎で交代、という感じで進んでいく。
20kmほど進み尾道大橋を走る。道幅の狭い、交通量のまぁまぁある短い橋。
ここからしまなみ海道に入る。
実はこのフレッシュを走るにあたり、不安材料を抱えていた。先月参加しDNFとなったBRM321近畿200km神戸(甲) VALE TUDO Stage.1 Twilight ROKKOで傷んだ右腸脛靭帯炎(DNF理由は別で、メカトラだった)。
冬春の間にサドル高さを5mm上げ、クリート位置を2mm前に出したポジション変更が原因だと考え修正はしたが、フレッシュ当日までに治療してから200kmほどを走る期間的な猶予が無く、ぶっつけ本番となってしまった。
常に右膝の外側に意識が向き、痛みが出ないよう祈るような気持ちでペダリングを続けていた。
PC1向島大橋バス停に到着。
サイクリングのメッカらしく多くのサイクリストと遭遇。
北西からの強風が吹く事前の予報だったが、ここからしばらくは少し風がある程度で支障は感じずスムーズに進めた。
3人で5km毎のローテーションをしながら、PC2 曼荼羅寺に到着。
しまなみ海道をルートに取ると、最短距離ではない区間にPC設置をしないといけないルールにより、どうしてもPCが多くなってしまう。
生口橋に上がる道は、最短をとると激坂を登るルートになる。この坂を登るときに、腰に違和感(ギックリの手前みたいな)を感じて、大丈夫か??とか思ってたけど、その後自然に良くなった。
PC3 第四十一番 龍光寺を過ぎて、masaさんご希望により、サイクリストの聖地(道の駅今治市多田羅しまなみ公園)に立ち寄る。
ここで、ペアのサイクリストの方から「ブルベ頑張ってください。」と激励を受けた。
少しずつ風が強くなる中を進む。
5km毎のローテーションは感触が良くて、10-15分間先頭を牽くと20-30分休める。
大体1時間に2回くらい先頭が回ってくる感じでちょっと疲れたなー、と感じた頃に後ろの人が前に出てきてくれる。
12時ごろ約80km地点のPC4山ノ鼻 バス停で通過するサイクリストをパシャリ。そんな私をmasaさんがパシャリ。
心配していた右膝の痛みも出ず、補給も問題なく取れているし、お尻の痛みも無いし、身体は調子いい感じがする。
問題なのは徐々に強くなる風。
印象的なのが、しまなみ海道最南の橋、来島海峡大橋。
全長4.1kmの長い橋だが、かなりの強風が右斜め前から吹き続ける。先頭masaさんの後ろにつくが、半分以上の風がモロに当たる。歩行者自転車道の幅は狭く1列縦隊で進むしかない。あのときの風速はどれくらいだったんだろう…
四国上陸から三崎港フェリー乗り場まで
四国に到着し、来島海峡大橋上ほどではないにしろ強風が続く。風向きはおおむね右斜め前から吹いてくるので、北西の風だったと思う。
四国上陸が92km地点なので、「あと100km以上もこの風の中を走るのかー。」とチームで話が出て、『確かに・・・。』とちょっとげんなりするような気持ちになった。
と言っても進むしかないので風に逆らいペダルを回す。
14時前(スタートから6時間弱)、PC5道の駅風早の郷・風和里(約116km地点)に到着。
少し疲れてきたのでコカ・コーラを補給。全てその場では飲まずにバックポケットに入れて走った。
時間的な目標は、約230km地点の国道九四フェリー三崎営業所発、20時30分出航フェリー乗船をAプラン、1時間後の21時30分出航フェリー乗船をBプランとしていた。
出航30分前に乗船受付をとのことなので、Aプラン(国道九四フェリー三崎営業所着20:30発)であれば20時に約230km地点まで辿り着ければAプラン続行可能だ。
この辺りだとまだ約120kmを6時間弱で走れているので時間的にも余裕を感じていたが、この先からが厳しかった。
愛媛県の北海岸線を西南方向へ走るが、風向きは北西からの強風なので、横風区間が多い。
一部追い風を感じる区間もあり、ログを見ると南進している区間は30km/h以上出ているが、西進成分が多い区間は20km/h前半台を示しているところが多い。
松山市へ入り、交通量の多い市街地幹線を走る。
渋滞や信号が続く区間がありペースダウンする。
松山市を抜け伊予市から佐田岬半島の根本までは約45kmの海岸線。
西へ走るので向かい風成分が多くなりさらにきつい!
ペダルを踏んでも回しても姿勢を低くしても時速25kmもキープできていない。
5km交代のローテーションのはずが、10km以上程先頭を牽いていたりして、右膝に違和感・痛みを感じるようになってきた。と言っても当初心配していた腸脛靭帯炎とは異なり、膝の内側の痛みだった。あまり無理して牽いても、後半に堪えては良くないと思い、自分から先頭を下りたりした。
風がきついし身体は疲れてくるし右膝が痛いので、『早くフェリーに乗ってご飯食べて休憩してストレッチしたい!』という気持ちになっていた。
ローソン大洲長浜町拓海店で補給休憩。
この時点ではプランAだと17:00のところ16:47発となりまだ13分貯金。結構ギリギリになってきた。
残り56kmを3時間、グロス19kmで走ればよいのだけれど、先ほどよりもさらに風が強くなり、走行中20km/hも出ない区間もあり結構きつい。
グロス19km以上を目標に先頭で牽いていて後ろを振り返ると二人が付いて来ていないことが続き、どうするか相談しBプラン(Aプランの1時間後、21時30分出航船へ乗船)へ変更のような感じになった。
夕方になり気温が下がりウェアを一枚着たかったので、近くにあるコンビニローソン八幡浜保内町宮内店に立ち寄って補給をする。
この時点で気持ちはBプランになっていたが、ここで彩さんから35kmを2時間で走行できればプランAは可能と伝えられ、気を取り直して進む。
ここからは佐田岬半島に入りアップダウンが続くが、風を受けなくなった。
半島の地形上、山の稜線よりも南側に道を通してあり風裏になっているようだった。稜線上の風車は回っていたので風は確かに吹いていた。
道路から見て南側の浜手から山側へ吹きあがってくる風もあり、風が巻いているんだなぁと思った。
風が無くなると元気が出てくる感じがしてAlt200m以上のアップダウンも軽快に3人で走り抜け、フェリー乗り場付近のローソン伊方町三崎店に到着。ローソンで夕飯を購入し、フェリー乗り場へ向かった。
当初の予定通りAプラン続行!
フェリーで休憩
20時頃フェリー受付へたどり着く。
Aプランで行ける安堵感でホッとしたし、山場(ホントの山岳地帯は後半なのだが)を越えこれで勝ち確定だと思った。
私たち3人の他にはバイクが1台、自動車は十数台(だったかな)乗船するようで、乗船を屋外で待った。
20時15分ごろ乗船が始まり、自転車を積み込む。
雑魚寝ができる絨毯区画とコンセントをキープし充電と食事と着替とストレッチを始めた。
二人はスマホを触っていたが、船酔いしやすい自分はスマホは極力触らずに過ごした。
食事を終えてから辺りを見るとカップラーメンの自販機があるのを見て、後で通過する湯布院のコンビニでカップラーメンを食べると決意表明したw
乗船中、目がすごく痒くなり涙は出るし充血するし、困ったことになった。絨毯に座ってストレッチしてたので、ハウス(フェリー?)ダストが物凄いのかも知れない。masaさんからもらったメントール入りのウェットティッシュで目の周りを拭いたら目がスースーした。
下船後の後半区間の予定は、大分県の佐賀関港から西に進み、別府→湯布院→阿蘇外輪山大観峰でご来光=22時間地点→熊本市で24時間地点へ到達というもの。
阿蘇山付近では牧ノ戸峠(Alt1333m)を未明に通過する予定で、予報では気温は零下を示していたので、ウェアを冬用へ一部切り替える。
帽子をハグロフスの耳を隠せるキャップに、上半身は夏インナーの上からモンベルスーパーメリノウールM.W.中厚手を着用し、スマートウールの夏ジャージと冬ジャケットを着た(冬ジャケットを着るのには早すぎたようで下船後少し走って脱いだ)。
下はレーパンの上に冬パンツを履き、グローブは起毛手袋へ交換。
走っていて寒くなればさらに、シューズカバー、上下レインウエアを着用し調整する算段。
後半戦
佐賀関から湯布院
22時前にリスタート。フレッシュの【一度の休憩は2時間までルール】をクリア。
下船後のリスタートで右膝の痛みがどうか気になりながら進むと、まだ全然治っておらずガッカリした。
気温は10℃以上あったのか下船後5kmも走らないうちに、厚着し過ぎたことに気付き冬ジャケットを脱ぎ、上は長袖ウールインナー+半袖ウールジャージ、下は冬用パンツで走る。
そこからしばらくは交通量がまばらな道幅の広い幹線道路を走る。5kmローテーションを再開。
海沿いを走っているが幹線道路からは海が見えない区間が続く。右膝の痛みの部位がどこなのか信号待ち毎に細かく調べる。
大分の市街地を抜けると海岸線が開け、別府湾の先の夜景が望める区間に出る。地元神戸の須磨の海岸線と似てるけど夜景がこちらのほうがキレイだなー、とか思ってた。
幸いというか世界が変わったように愛媛県で苦しめられた強風はすっかり止んでいてペースは保ちやすい。
別府に入りコンビニで休憩をする。由布岳そばの峠(Alt780m程)へ上る直前の休憩。補給をして右膝のストレッチをする。痛い部位は内側広筋の遠位端だと走行中に分かったので、チームで相談しながら緩和方法を探る。
20分ほどでリスタートし、別府から由布岳を目指す。この時点で日付が変わり0時頃のリスタートとなった。
温泉街らしくあちこちから湯気が上がっていて風情があるが、キレイな建物が並ぶ割に坂がキツい街だと思った。膝は調子良さそうに思ったが負荷をかけると痛い。
別府の街を抜けて山岳地帯に入り標高を上げると気温は低くなるがウールインナーがよく効いていて防風着が無くても丁度良い塩梅。
このあたりからmasaさんが遅れることが続く。自然と彩さん、自分、masaさんの順で走る時間が長くなる。masaさんによると別府に入る前辺りから調子が下がっていたとのこと。
由布岳の傍の峠に到着しここから下る。下る前の体温調整の為に少し止まるとかなり気温が低く冷える。
ここで防寒着を着用する。自分はジャケットを着用したが、この先の湯布院への下りで冷え切ってしまった。レインウエアも着たほうが良かった。
下りを終えてPC7のローソン湯布院川上店へ3人とも震えながら突入する。
目的物はmasaさんのカイロと私のカップラーメンと彩さんの補給食。
残念ながらカイロが売ってないのでカップラーメンはお預けで、湯布院内のルート上にある他のコンビニ2店へ探しにいくことに。
あまりに寒いのでレインウェア上下を着用し、コンビニ巡りへ。
3店目のコンビニで奇跡的にカイロがまだ販売中。在庫残り5つ?全てを我々が買い占める。
そのコンビニで、エアコンの温風の下暖を取りつつも震えながらカイロを貼るmasaさん、それを外から見ながらカップラーメンを食べる私、の横で1店目のローソンで買いぬるくなってしまった補給食を震えながら食べる彩さん。
カップラーメンを食べ終え右脚をもう一度マッサージしているうちに、masaさんもカップラーメンを食べ終える。
そんなことをしているうちに湯布院コンビニ巡りで40分ほど経過していた。
2時半ごろコンビニをリスタートし阿蘇山を目指す。
湯布院から阿蘇山ゴールへ
湯布院からは牧ノ戸峠まで登り基調が続く。
コンビニで震えあがった身体も登り始めると温まり、20分後には暑くなりレインウェアを脱げた。
今回フレッシュの目的の一つに、【阿蘇大観峰でご来光を迎える】があった。
日の出時刻は6時前なので、あと3時間半。
湯布院から大観峰まで距離62km、累積標高約1300mと厳しい状況。
masaさんはコンビニリスタート後も調子が良く無いように見える。
湯布院から牧ノ戸峠までは緩い勾配のアップダウンが続き、最終的にAlt1333mまで登るのだが、masaさんはかなりきつそうで、彩さんと私のペースに付いてくるのが難しい。masaさんのペースに合わせて上っていく。
登りの最中(確か4時ごろ)眠気が出てきた。眠くて仕方がないという程でも無いけど気温-1.5度のそのあたりの道端に倒れたらすぐに眠れるような気分になっていた。
そんな話をしていたら眠気覚ましにしりとりが始まった。はじめは彩さんと二人でしていたがmasaさんもかなり眠そうなので誘って3人でしりとりしながらまったり(と言ってもmasaさんはキツそうだったが)上って行く。
かなりスローペースになっており、5時頃に牧ノ戸峠に到着するだろうと湯布院で思っていた予想よりも遅れそうな感じがしていた。
牧ノ戸峠は322km地点でフレッシュ認定の360km以上にはあと38km足らない。フレッシュのルールである【22時間地点から24時間地点まで25km以上走行しないといけない条件】は、牧ノ戸峠からしばらく下り基調が続くので大丈夫だろう。
焦りはしていなかったが、認定が危うい感じはしていた。といっても上りで急いでもチーム全体のペースが上がるような状態ではなかったのでしりとりをしてのんびり上るのがベストと思っていた。
この辺りから既に大観峰347km地点でのご来光はプランから外し認定完走を目標に変更。
明けが近づき暗闇の中でも薄っすら山の形が分かる程度になると、雲か湯気か山肌に白いもやがいくつ漂っているのを見れた。
眠気なのか空腹だったのか頭がぼーっとしていた。チームで牧ノ戸峠後の事を相談していたように思うが、今一つはっきりと理解・判断できなかった。
寒いので冬グローブに変更しており、上りながら補給食を食べるのが億劫に感じたのか、あまり食べてなかった(冬グローブでも眠くても寒くても、走行中に食べれるモノを食べやすい形で携行しているのが望ましかった)。5時半ごろ牧ノ戸峠に到着する寸前で空腹を感じたのですぐに声をかけ補給タイムを作ってもらった。
その後リスタートし牧ノ戸峠に5時40分ごろ着。
masaさんはSR600で、彩さんは入念な事前準備で、この先の道をだいたい把握されており分かりやすい目印がしばらく無い、ということで22時間地点を牧ノ戸峠にし20分ほどの休憩をして22時間(6時スタート)にすることにした。
トイレと防寒着着用、補給、この先24時間地点までのプランニング、22時間地点での証跡撮影などとしていると、あまり時間がない。
できることをして、6時過ぎにリスタート。
日が登り自然と目が覚めてくる。
ここから2時間で360km地点へたどり着く必要があるので、38km走行する必要がある。
下り基調なのでまぁ大丈夫かとか思っていたが、masaさんによるSR600の走行談からは割と上る、みたいな印象があった(実際走行してみると、確かに一度下りきった後アップダウンを繰り返しながらの登り基調なので距離が稼げなかった)。
ここからのラスト2時間が正念場だと思ったので、余っていた力を全部使って終わろうと思った。
この先の登り区間で使っても全体のペースが上がるわけではないので、牧ノ戸峠からの下り区間だけ全力で踏んだ(実はこの辺りで既に右膝の痛みが治まっていたことに気が付いた。牧ノ戸峠の上りではしりとりに夢中で痛みが消えていたことに気づいてなかったw)。全力と言っても下りはそもそも遅い方で、masaさん彩さんの方がベースで速いのでチームのペースを落とさない程度だったかも知れない。
日の出時刻を既に過ぎており、下り区間では景色を見ながら下れた。あまり眺めている余裕は無かったが、普段見ない阿蘇山独特の山の形、風景を見ながら快調に飛ばせた。
15分ほどで下りきりそこから27kmの登り返しアップダウン区間が続く。
ここを1時間40分で走り切れば認定。
そこからやはりペースが上がらず、masaさんはとても辛そうだ。この区間27kmは、アップダウンを繰り返しながら標高を上げていく道なので、下り区間より上り区間が長く疲れた脚にジワジワくる。
ペースを上げられないが時間に余裕はない状況。この時も精神的な焦りは全く無かったが、チーム内では認定は厳しいかもムードが滲みながらも諦めずに進む。
当初の目的の一つご来光ポイント大観峰(347km地点)に7時10分過ぎに到着。最短ルートを辿っているのでここでの証跡は不要かも知れなかったが念のために写真撮影。
牧ノ戸峠の上りよりもペースが上がっているがなんとか走っておられるmasaさんが小休憩。
補給をしなおしてリスタート。
次の目的地である360km地点まで13kmを45分間程で辿り着かねばならない。
まだこの先もアップダウンが続く。事前にMAPは確認していたがこんなに長い距離の登り基調アップダウンが続くとは意外だった。もう少し早く下り区間に入れるかと思っていたが、masaさんは把握されており、脚を緩める事なくむしろペースを上げてついてこられたように思う。
制限時間15分前くらいから彩さんが360km地点の確認、私が残り時間の確認の役割分担をして進む。
時間が経過するごとに報告しながら進み、残り5分を切った辺りから、認定は難しいかも知れない、と言いながら走っていた。
GPSにはPC地点だけでなく360km地点も登録していた。登録時これが必要になるとは思っていなかったが、ラスト1,2分に差し掛かるころ登録した360km地点のウェイポイントがGPSで確認できた。
360km地点をウェイポイント登録したことをその時まで忘れていて、近接アラート【360km地点】が表示され、到着したことに気付いた!なんと時刻午前8時ピッタリ。
後ろを走るmasaさんに、「着いた!間に合った!」などと言った覚えがある。
masaさんは驚きと安堵の表情。
24時間地点の証跡を急いで撮影する。
目印は白塗りの看板w
過去に経営されていた牧場の表示が薄っすら見える。
あまりにもギリギリな時間と区間で認定されるか不安だったため、ゴールを喜び合う余裕は無かったように思う。
完走後
写真撮影後、ナイスプレイスへ向かう。
24時間・360km地点からちょっと進むと下り区間に入ったのには驚いた。
ナイスプレイスに入る前に24時間地点と想定していたセブン-イレブン 熊本インター北店に9時半ごろ到着し最後の補給とブルベカードの記入を済まし、ナイスプレイスの神園山荘へ向かう。
ナイスプレイスでは、ゴール受付+BBQ+温泉と半日宴会。
まずはゴール受付だが、全員頭がボーっとしていてリーダー彩さんの付き添いで一緒にゴール申請を行う。
ギリギリ隊どころかジャストインタイム過ぎるので認めてもらえるか非常に不安だったが、パスできてほっとした。
予定していた外での温泉は止めて神園山荘の温泉に入ることにし、ナイスプレイスでのBBQが12時からで2時間ほど時間があるので、ドロップバッグを取りに3人で移動。
神園山荘に戻り、フレッシュ&トレース参加チームのBBQで食事&交流をした後、温泉でさっぱりし熊本空港で関西へ戻った。
伊丹空港から自宅へ戻る電車の中で認定の確認を彩さんにslackで教えてもらい、とてもうれしかった。
まとめ
自分自身の膝の心配がありベストな状況での参加では無かったが、結果的に腸脛靭帯炎を起こすことは無く走りきることができた。
当初想定では、プランA(乗船時間8時半)で行ければ余裕をもってゴール、と思っていたが、かなりのジャストインタイムゴールインになった。
といえど、コースは山岳を含んでいたし、乗船時間が2時間弱のロスを生んでおり、天候は晴れていたが前半は強風向かい風横風、後半は低温と条件的には色々と厳しかった。
幸いしたのは九州に入ってから風が止んでいたことで、別府から阿蘇山の区間で風が吹いていた場合、低温+風という悪条件となりさらにエネルギー消費しペースが落ちていた可能性が高い。雨が降らなかったのも良かった。
チームとして最後まで諦めずに進めたのは、まさにチーム力だったと思う。単独で同じ状況であれば止めていたかも知れない。
フレッシュはチームサイクリングで、ソロのブルベとはモチベーションが違うところにあり、プレッシャーのかかり方も桁違いだし、チームの様々な準備が功を奏した結果の完走となったと思う。
チームの彩さんmasaさん、ランドヌール熊本の方々、ありがとうございました。
一緒に走ったmasaさんの記録です
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