2022年4月、BL-R400から換装した後に感じたST-R9100のブレーキ性能の低さ。
この要因について挙げていく。
BL-R400とは
換装前にハンドルに取り付けていたのはシマノ製BL-R400。
STIのような変速機能は無く、ブレーキ機能のみのブレーキレバー。
2019年にCAAD12をダブルレバー仕様にした際に導入した。
ST-R9100のブレーキング性能
BL-R400からST-R9100へ換装後1週間程走行して感じたブレーキング性能の低下。
BL-R400ではブラケットポジションでのブレーキングでは小指を使うことが無かったが、ST-R9100だと小指を使わないと制動力が足らない。思ったように止まらないように感じる。
換装二日後に200km走った後は、慣れないSTIブレーキングで右手が痛んだ。
普段使わないような力を使ったからね。
なぜBL-R400と比べてST-R9100の方がブレーキングに握力が必要だと感じるのかを調べてみた。
ブレーキレバー比
ST-R9100とBL-R400では、ブレーキレバーのレバー比がそもそも異なる。
ブレーキレバー比を考える時、レバー軸からブレーキケーブルの固定部までの長さを比較する。
ST-R9100で見ると写真赤線の長さを測る。
- ST-R9100の長さは35mm
- BL-R400の長さは20mm
この赤線が長いほど、てこの原理でブレーキレバーを引くときに必要な力が大きくなる(ケーブル移動量が大きい)。
ST-R9100のブレーキケーブル移動軌跡は黄線だとして、対して青線の位置にブレーキケーブルを配置されたブレーキレバー(BL-R400)だと移動軌跡が短くなりブレーキングに必要な力が少なくて済む(その代わりにブレーキレバーを多く引かなくてはならない)。
ST-R9100の方がブレーキレバーを引くのに握力が必要なのが分かる。
ブラケット窪みの幅
次にブラケットの窪みの幅を測る。
この幅の広さは、ブラケットポジションでの指のブレーキレバーに届きやすさに影響する。
幅が狭いと指が届きやすく、幅が広いと指が届きにくい。
ST-R9100でみると、赤線で引いたところの長さ。
- ST-R9100は33mm
- BL-R400は27mm
ST-R9100の方が6mm幅が広く、指がブレーキレバーに届きにくい。
ブラケットからブレーキレバーまでの長さ
次は、ブラケットからブレーキレバーまでの長さを比較してみる。
ST-R9100で見ると、赤線で引いたところの長さ。
- ST-R9100は65mm
- BL-R400は58mm
ST-R9100の方が7mm長く、指がブレーキレバーまで届きにくい。
ブレーキレバーの太さ
ブレーキレバーの太さ(幅)を比較する。
ブレーキレバーの指のかかりに影響するのがブレーキレバーの太さ。
ブレーキレバーが太いと、指が十分にかからず握りが甘くなりやすい。
ST-R9100のブレーキレバーで見ると、赤線2本の長さ。
上側が最大部で、下側が最小部。
- ST-R9100は、最大部が25mm最小部が14mm
- BL-R400は、最大部が16mm最小部が12mm
ST-R9100はBL-R400と比べて、最大部が9mm、最小部が2mm太く、指のかかりが甘くなりやすい。
最大部の辺りはちょうど人差し指のかかる位置。
ST-R9100はレバー比が高く握力が必要なので、私の人差し指の力ではほとんどブレーキングパワーに寄与することはできず、中指と薬指がメインで作用することになるが、指が短いと太いレバーには指がかかりにくくさらに力の発揮が難しい。
まとめ
BL-R400からST-R9100へ換装した後ブレーキングに必要な握力が増えて手が疲れた要因を探ってみたところ、
ST-R9100はBL-R400と比べて
- ブレーキレバー比が高い(握力が必要)
- ブラケットの幅が太い(大きい手が必要)
- ブラケットからブレーキレバーまでが遠い(長い指が必要)
- ブレーキレバーが太い(長い指が必要)
ということが分かった。
自分の手の大きさは上の写真の通りでそんなに大きい方ではないと思うし、女性ならもう少し小さい方も多いだろうからブレーキには苦労されると思う。
STIの構造上ブラケットとブレーキレバーの間に変速機構が組み込まれているのでブラケット上とブレーキレバーの距離が遠くなり、ブレーキケーブルは上の方に配置せざるを得ず、こうなった感があるような邪推をしてしまう。
シマノの最高グレードSTIのブレーキ性能は廉価ブレーキレバーBL-R400に劣るということには不満があるけど、慣れれば気にならなくなるレベルのことかもしれないのでこのまま使う。
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