この記事は、payanecoさん主催のロードバイクアドベントカレンダー2024年2日目寄稿記事です。
昨日は、自宅警備マンさんのバーテープから自転車が生えてきた件についてでした。
二日連続、自転車が生えています。
以下本編です。
オーダーフレーム購入への流れ
もともと荒れ道へロードバイクを連れて行く遊びをしていて
当然限界を感じMTBを購入することになった。
また完成車で購入したロードバイク(キャノンデールCAAD12)に付属していたSTIが気に食わず、ダブルレバー化したりした。
その後、CAAD12にST-R9100(最終デュラケーブル変速&ブレーキSTI)を装備して2年程使ってみたが、最終的にブレーキ性能に納得がいかない結果になる。
(ケーブルブレーキ式)STIはブレーキ性能がダメ、電動変速は価格とメカトラ的にダメ、ディスクブレーキが良い、という理由と条件で選定すると、ダブルレバーのディスクブレーキ自転車が最強なのではないかという一旦の結論に至り、発注することになった。
発注先はokid’oki-lifestyle&東洋フレーム
いくつかのフレームメーカーの自転車を試乗させていただく機会があり、その中でもっとも魅力的な乗車感があったのが、東洋フレームのROAD-Dだった。上り坂で重さを感じさせない高い剛性、踏んだ分以上に進む感覚。
どこかのタイミングで、普段よりお世話になっているokid’oki-lifestyleの沖さんと東洋フレームの石垣さんとの共同設計されたフレームをオーダーできるということになり決定。
フレームの名称は東洋フレーム650アドベンチャーロード。
想定している自転車
想定している自転車は、ロードバイクと同じような乗車感で、未舗装も走れ、ごくまれに荷物を積むこともできる自転車。
つまり良く走る多用途自転車。
オーダー内容
オーダー内容は
- ROAD-Dと同じような乗車感希望
- ケーブル変速/ディスクブレーキ
- ダブルレバー仕様
- ケーブル&ホース類フル外装
- タイヤは650*42Bを履きたい
- ダボ穴(フォーク、リアラック、前後フェンダー、トップチューブ上、ダウンチューブ下)
こんな感じ。
私からジオメトリの指定はしていないが【乗り味をROAD-Dと同じように】と希望を出している。
東洋フレーム工場訪問した際には、社長の石垣 鉄也さんより、【特に用途(舗装、未舗装、旅)を絞るとどれ?】と質問され、【未舗装】と答えた。
【絞らなければぼやける】とのこと。確かに。
チェーンステーとフロントチェーンリングとの干渉に関わるパイプの剛性等ジオメトリに関すること、等のお話を伺ったり、東洋フレーム未発売のグラベルロードラインのプロトタイプの試乗をさせて頂く等した。
試乗させてもらったプロトタイプの乗車感は、【ハンドリングがたるい?未舗装は安定して走れるがロードバイクらしさが足りない?】と、あとから思い出すとそう感じた。
若干の不安を感じていたので、その点も沖さんへ伝えたりしていた(あとから色々と考えが巡るタイプ)。
発注から手元に届くまで
2023年10月某日に東洋フレーム工場へ訪問し決定。
2024年11月1日、組み立て完成し手元に届く。
その間、必要なパーツを揃える。
購入したのは主にコンポーネント。
ホイールはMTBからの流用(その代わりMTBに新ホイールが1つ必要となったが)、その他細かいパーツはいったん自宅在庫品を使って見ることに。
カラーは、始めライムグリーンを指定していたが、気が変わりブラウン系(自分の脚の色)へ変更希望。だがうまく伝わっていなかったため、そのままライムグリーンで塗装された(途中変更は伝達ミスが起こる)。塗装後謝罪されたが、自分的にカラーは大切な部分では無かったのだろう。数日後には全く気にしていなかった・・・。
ダウンチューブシフトレバー(Wレバー)台座やフル外装じゃなかったりしたら問題だけど、色は最終的に何でもいいようだ。迷うということは何でも良いということなのかもしれない。
パーツ構成
完成時のパーツ構成。
項目 | メーカー | 品番 |
フレーム | TOYO | アドベンチャーロード |
フォーク | TOYO | |
ホイール | DT SWISS | 手組 |
ディレーラー | シマノ | フロントFD-RX810-F/リアRD-RX810 |
シフター(前後) | シマノ | SL-7700 |
ブレーキ(前後) | シマノ | BR-RS305 |
ブレーキレバー | シマノ | BL-R400 |
クランクセット | シマノ | FC-RX600(2×11s,46-30T,アーム165mm) |
BB | シマノ | BB-RS501 |
カセットスプロケット | シマノ | CS-HG800-11(11-34T) |
ヘッドセット | CANECREEK | 40 |
シートポスト | GIZA | SIL 27.2 |
ペダル | Time | XC6 |
タイヤ | パナレーサー | グラベルキング TLR 650×42B |
サドル | Sella Italia | Storica |
ディスクローター | MAGURA | 160mm |
ハンドルバー | Giant | 完成車取り外し品 |
ステム | Giant | 完成車取り外し品 |
こだわっているところ以外こだわっていない、という感じ。
とりあえず重量は11kgに及ぶ。
フレーム
ダブルレバー仕様
このフレームの最重要ポイント1。ダブルレバー仕様。
ディスクブレーキ仕様
同じく最重要ポイント2。ディスクブレーキポストマウント。
ケーブルフル外装
一時、ブレーキのみ内装にするか迷ったが、最終的には変速/ブレーキともフル外装仕様にした。
メンテナンス性を優先に。デザイン的にもカッコいい。
ダボ穴
ダボ穴はたくさんつけてもらった。
フォークに左右3つずつ。
ダウンチューブ。
トップチューブ。
リアキャリアー用。
チェーンキーパー
チェーンキーパーは輪行で役立った。便利。
パーツ選定の理由など
ブレーキレバー
ブレーキレバーは、シマノBL-R400。
アーム比が良くブレーキ性能が高い。さすがブレーキレバー。
しかも軽量(ペアで254g)で安価。
ブレーキキャリパー
シマノ製機械式ディスクキャリパーBR-RS305。
このチョイスはお試しだがブレーキレバーがBL-R400であればイケるのではないか。これで性能十分であればこのまま使うが・・・いかに。
シマノさんドロップハンドル用油圧ブレーキレバーを発売してくださいお願いします。
シフトレバー
シフトレバーはシマノSL-7700。
9sインデックスorフリクション。このフリクションモードでGRX11sリヤメカ(RD-RX810)を引けるのか?。ケーブル引き量が足らないのではと予想している(以前シマノ製リアディレーラーRD-5800でギリギリ一杯だったのを確認している)。
クランクセット
シマノFC-RX600(2×11s、46-30T、アーム165mm) 。
本当はRX700を使いたかったのだが、クランク長165mmを製造していない。なぜ・・・。
できるだけクロスレシオにしたいのでフロントダブル。
変速機
フロントFD-RX810-F/リアRD-RX810。いずれもGRX系。
クランクセットをGRXにしたので揃えた。
スプロケット
シマノCS-HG800-11(11-34T)。最小ギア比は1を切る0.88。最大ギア比は4.18。
急勾配スリップ等で容赦なく負荷が高まる未舗装路をターゲットにギア比を合わせたがどうなるか。
ペダル
ペダルはTIME XC6。ペダル軸長短めだがGRX系クランクにはちょうどいいかも(Qファクターをロードよりも少し広げたい派なので)。泥、雪でも問題なく扱いやすい。
サドル
Sella Italia Storica。重量500gの重量級。
だが安心のお尻ガーディアン。鉄車に革サドル、よく似合う。
シートポスト
ギザプロダクツ SP-248D シートポスト。
とりあえずつけてみた一品。普通に重量感がある。
ステムとハンドル
半分ネタのGIANT完成車取り外し品。
破損して手元には無いGiant Defy2(2012年)の残骸。
ハンドルは案外軽く276g。ステムは80mm。
ホイール
DT SWISSの手組ホイール。
リムはXR331(廃盤)、ハブは350。
MTBからの流用でロードバイクへ使われることになった。
タイヤ
タイヤ、グラベルキング 650×42B。タイヤ幅は重量と走破性とのトレードオフ。オンロードで許容できるのはこの辺りまでか(390g)。
初ライドインプレッション
シェイクダウン直後にメモしてあったものをほぼそのまま載せる。
【東洋フレームのROAD-Dと同じ乗車感】と作製前に希望を伝えていた。
ROAD-Dの乗車感は、鉄フレームで重たいはずなのに、軽い力で前に進める高い直進性、力が逃げないフレームという印象だった。
このタイヤは650×42B、ホイールも試乗したROAD-Dとは違うのだが、力が逃げるような柔らかい感じはしない。
ハンドルがクイックに感じる。コーナリングで自転車を倒すとハンドルが早く切れる。慣れるまでは怖かったが、慣れると高速ダウンヒルで軽快な操作感を味わえる。
タイヤが太く小さい路面の段差は吸収されて楽。舗装路と未舗装路の差が少なくなる。
砂利道の上りは埋まりにくいが、700×32cの方がうまく走れていたので、テクニックが結局大事。
多少の石石路面でもMTBのノリでペダルさえ回していれば乗り越えられる(ただしスリックタイヤなのでスリップしやすい)。
砂利道の下りはスピード域が上がる。しかも安全。なので林道のようなダブルトラックはロードバイクより早く、MTBより楽しく走れる。
舗装路の下りは感動する。上述したフレーム特性によるコーナリングの軽快さも相まって、まるでオートバイに乗っているような感覚でダウンヒルを走れる。この自転車は下りが専門なのか。
ひと月ほど走行してみて浮かんだ色々
重量
約11kgとは思ったよりも重たく仕上がった。
持ってみるとずっしり。登坂ゼロ発進では自転車が早く後ろに下がる。そして担ぎが大変だ。
重量級サドルやシートポストの交換等、軽量化を考えても良いかも知れない。
ギア比
ギア比。最小0.88は何も不満はない。急こう配グラベル上りも余裕をもって進める。最高。
最大4.18。こちらはやや不満。下りは安定感があるので、さらに踏みたくなる。4.18あれば回し切ることは無いが、踏みたい重さでペダリングが出来ないことがあった。
クランクセットはロード用50/34でも良いのかも知れない。もう少し様子を見る。
シフトレバー
予想通りシフトレバーSL-7700は、RD-RX810を引き切る事は出来なかった(ケーブル巻き取り量不足)。
また予想外にSL-7700とRD-RX810の組み合わせでは立ちこぎするとケーブルがリリースされてギアチェンしてしまう(シフターのフリクション不足)。
これら2点の対策は別の記事で。
ハンドルとステム
やはりネタはネタだった。
ステム80mmは短すぎて下ハンで上半身が窮屈すぎる。
ハンドルバーは大きな問題は無さそうだったが、キャットアイのフレックスタイトブラケットをハンドル中央の31.8mmの部分が狭くて取り付けにくい。不便なので交換しようかと思う。
ブレーキ性能
- シマノBL-R400(ブレーキレバー)
- シマノBR-RS305(機械式キャリパー)
- MAGURA160mmローター
の組み合わせ。
今までのリムブレーキ車
- EQUALコントロールレバー
- BR-R8100
- エグザリットリム(摩耗後)
と比較すると、1.2倍以上の制動力があるように思う。
油圧ブレーキのようなぬるぬる引けるブレーキ操作性ではなく、ブレーキケーブルの摩擦+リターンスプリングの抵抗をうっすら感じるが、舗装路でも未舗装路でも問題なく扱える。
所有MTB油圧ブレーキと比較すると、誤差程度の性能差に感じる。現在後輪ローター160mmだが下りで後輪がロックすることがあるので、140mmへ変更しても良いと考えている。
基準がリムブレーキロードバイクであればこれで十分かと。
タイヤ
650×42B(チューブド運用)。
舗装路の上りは遅く・下りは速くなり、多少の砂利・未舗装路を舗装路と同じような快適性へ高める。
特に重点を置いた未舗装路性能が高いので、今までロードバイクでは苦楽を感じながら走っていた砂利道が難なく普通に走れてしまう。走破性が増したことは確かなのだが、ロードバイクで苦労する道が簡単な道に変わってしまい、物足りなさを感じる。
この自転車の楽しみ方は色々あるだろうけど
【MTBでは簡単すぎてロードバイクでは難しい】セクションを楽しむための自転車なのかもしれない。
フレーム本体
東洋フレーム本体。
望んでいた剛性の高さ、踏んだ力がそのまま推進力に変わる感じが好み。上りで重たいギアでもなぜか進むので踏んでいたらすぐに息切れがする。
下りの安定感が頼もしく舗装未舗装問わず安心して走れるが操作にまだなれていないので、うまく扱えていない感じはする。
ダブルレバー仕様もやはり正解。手元変速は便利だが必須ではない。さまざまな変速機を操作できる汎用性の高さも魅力的。
ダボ穴はたくさんつけて良かった。いろんな遊びに付き合ってくれそうな懐の広い自転車になった。
フル外装にしてメンテナンス性を最優先。これも重要で、ブレーキケーブル、シフトケーブルを交換するのが気楽になる。
自転車いじりは楽しい方が良い。
終わりに
色々とこだわるとお金のかかる趣味だが、長く自転車に乗っていると自分の優先していることが分かってくる。
周辺パーツに関してはあとで交換できるが、フレームセットは自転車の核となる部分で、用途の方向性を決められる。
それらを形にして実現できるのはオーダーの強み。
今後は自転車に乗りながらパーツの選定を少しずつ進めていこうと考えている。
明日は、くろみつ@ニオブ鋼の自転車使いさんの【お尻痛いのなんとかしたい。体幹鍛えるとかは無しで】です。
色んな工夫が挙げられていて参考になります。
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